笹原馨・小樽風景スケッチ画展 ギャラリー白方


 今年3月末に、22年間勤務した小樽市役所を退職した笹原馨さん(47)の初の個展「小樽風景スケッチ画展」が、7月26日(火)から31日(日)まで、Deccmber3(稲穂2)2階ギャラリー白方で開かれている。
sasaharasketch1.jpg 同ギャラリーのレトロな落ち着いた雰囲気の中、新たな気持ちで今年4月から描き始め、3日前に完成した「勝納川尻」までのスケッチ画30点が展示されている。
 小樽の見慣れた風景が、笹原さんの視点で切り取られ、素敵な情景に変わり、来場者を楽しませている。
 作品のサイズはどれもオリジナル。手作りの額は、材質が軟らかく軽く加工が容易なファルカタ材を使用。面取りし、作品を載せアクリル板で綴じ額装した。
 笹原さんは、室蘭市に生まれ、10歳から小樽在住。子どもの頃から絵を描くことが好きで、小学3年から5年生頃まで、市内で松本公子氏が開く「子どもの絵の教室」に通った。高校1年生の頃には、洋画家の森本三郎氏の自宅で絵を教わった。北海道大学教育学部へ進学し、市役所へ就職。これまで外へ出て街並みをスケッチすることはあまりなかった。
sasaharasketch2.jpg 市職員中は絵心がそそられ、市民グループ作成の「てみや道くさガイド」(1999年作成)のイラストや「はつらつ長寿シルバー情報」の表紙(2000年)、小樽市高齢者ガイドブック(2011年)、小樽市くらしのガイド第3版(2013年)表紙と挿絵などに協力。
 また、北海道が主催した絵本製作事業で小樽からの応募がなかったため、水口忠氏の文章に絵を担当して応募した「北海道伝えたい物語事業”デジタル絵本”イサヤコとペチカ」(2006年)は、知事賞を受賞。最近では、小樽市観光船「あおばと」のポスターも笹原さんの絵が使われている。
 個展に向けて、画用紙を持って街へ繰り出し、改めて絵になる風景が多いことに気づき、面白い街だと感じた。これまでは、山から見た海や街が多かったが、海から見た街の綺麗さも発見できたという。
 作品には、運河公園、海猫屋界隈、ツツジと公会堂、北運河など、鉛筆でスケッチして水彩絵の具で色を付ける。作品すべて、その場所へ出向きスケッチしたものばかり。長い時で6時間もずっと外で描いたという。

 番外編では、6月12日、1日がかりで仕上げた大作「旧厚田村」は、昔の小樽を思わせる町の風景が、清々しいタッチで描かれている。
 笹原さんは、「町へ出て自分の好きな小樽を描き、その姿が外国人に喜ばれた。町にスケッチする人が溢れると、街ももっと良くなり、小樽の良いところを見直すきっかけになる」と話した。
 笹原馨個展「小樽風景スケッチ画展」 7月26日(火)〜31日(日)10:30〜18:00
 Deccmber3(稲穂2)2階ギャラリー白方 入場無料
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