9月1日は防災の日 地震想定し総合防災訓練

 9月1日の防災の日に合わせ、小樽市防災会議主催の地震を想定した、平成28年度小樽市総合防災訓練を、13:00から色内埠頭公園(色内3)で実施した。
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 台風10号の影響で、予定していた海上保安千歳航空基地所属の固定翼航空機及び消防防災ヘリ運用訓練は中止となったが、35機関374名・車両42台・船舶8隻が参加して、大規模災害に対する各関係機関相互の協力体制の強化と、防災技術の向上及び市民の防災意識の高揚と防災知識の普及を図ることを目的として開かれた。
 訓練の想定は、9月1日13:10頃、北海道北西沖を震源とする推定マグニチュード7.9の地震が発生し、小樽では震度7を観測。
 この地震により、津波注意報が発令され、陸上においても市内各地で木造家屋が倒壊、海上では津波の影響で船舶から重油が流出し、火災も発生した。道路の損壊・亀裂・崖崩れによる土砂の流出により交通網が寸断。ガス管・水道管・電話線・配電線などのライフラインにも被害が生じた。
0901bousai2.jpg 小樽市は災害対策本部を設置し、各機関に応急災害対策を速やかに実施するよう要請。
 市水道局と小樽市配管工事協同組合は、水道施設復旧及び仮設給水所設置訓練を実施する中、小樽市社会福祉協議会・小樽ボランティア会議・入船地区連合町会のメンバーが力を合わせ、レスキューキッチンによる豚汁200食の炊き出しが行われ、会場の参加者に振舞われた。
 地震による土砂災害により交通障害が発生し、バスの乗客が多数負傷した合同訓練で、小樽市地区赤十字防災ボランティアは17名(初参加3名)と、今回初めて北海道柔道整復師会6名が参加し、運ばれてきた軽負傷者9名の応急処置を行った。腕や膝の擦り傷や切り傷などの軽傷の負傷者に、三角巾を使って手当を手際良く実施。
0901bousai3.jpg 同前田正夫隊長は、「いざという時になかなか上手くできないが、日頃の訓練の成果で上手くできたと思う。新人3名にはベテラン会員が指導した。基本は、負傷者を良く観察し、元気づけること」と話した。
 小樽市立病院DMATは、重症者の応急手当を実施し、救急車で搬送した。
 津波の影響で、船舶から海中への転落者を救助し、船舶火災には、小樽市消防署をはじめ、第1・12・16分団の小樽消防団、北後志消防組合消防本部、岩内・寿都地方消防組合消防本部、石狩北部地区消防事務組合消防本部が一斉に放水し、全ての訓練は無事に終了した。
 閉会式で、小樽市防災会議・森井秀明会長は、「今日の取り組みを見て、もし十勝のような被害が市内であったとしても、状況をしっかりと乗り越えられると感じた。皆さんの助け合いの思いとそれぞれの役割をしっかりと果たすことで、災害が訪れた時にも、ともに乗り越えられる環境をこれからも整えていきたい」と講評を述べた。
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