高文連後志支部写真展 佐藤通晃さん講演


 平成28年度高文連後志支部研究大会で、市内在住の写真家・佐藤通晃氏が、9月18日(日)10:50から、「写真もあなたの言葉です」をテーマに講演会を開き、写真部員と顧問が参加した。
koubunphoto1.jpg 16日(金)・17日(土)の2日間、市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリーで、市立小樽北海道高等学校文化連盟平成28年度後志支部高等学校写真展が開かれた。最終日の18日(日)は研究大会が開かれ、後志管内6校の写真部員55名と顧問合わせて70名が展示会場に集まり、各校の作品鑑賞や撮影会、表彰式が開かれた。
 10:50からの講演会では、堂々展やフォト虹彩写真展で作品を発表している、日本リアリズム写真集団・佐藤通晃氏が講師を務め、「写真もあなたの言葉です」をテーマに開かれた。佐藤氏が撮影した山田町の人々や、1984年撮影の写真ばかりを集めたり、波の様子を捉えた作品など、これまでに撮り溜めた中からのモノグロ画像を紹介しながら語った。
koubunphoto2.jpg 佐藤氏は小樽在住で、小学生の頃、少年雑誌付録の現像キットをきっかけに、父や祖父のカメラを使ったり、中学時代に自分のカメラを買ってもらい、様々な撮影を続けてきた。郵便局に勤務する傍ら、町の様子や風景・出会った人々を撮影。カメラ雑誌にも掲載される実力の持ち主。65歳の現在も精力的に撮影活動を続けている。
 はじめに、米国でもっとも権威ある”ピューリッツァー賞”を受賞した作品が掲載されている本から、1960年、初めて日本人が受賞した画像、2人目に受賞したベトナム戦争時の画像を紹介。
 ある僧侶の「写真は記録であるが、記憶を呼び起こすものである」の言葉について語り、写真には、意思や感情を伝える大事な力を持っていることに触れた。
 写真雑誌・アサヒカメラに「小樽わが町」として5ページにわたり取り上げられ、昭和54年小樽の職人坂の日常の様子を撮影した画像から、NHK番組「こんなステキなにっぽんが」に放送され、その一部が会場で上映された。
koubunphoto3.jpg 人物を撮影する時に問題となる肖像権について、ありがちな事例を上げて、「気にしすぎて、撮影する場面が狭められるのは残念。気にしすぎることはないが、注意深く撮影してもらいたい。写真に人物を入れることにより、魅力的な作品となる」と話し、「感情や記憶を呼び起こす写真を撮影し、写真を楽しんでもらいたい」と締めくくった。
 55名の約500点の中から最優秀作品に、小樽潮陵高校3年藤本涼花さんの作品が選ばれた。今年7月の潮陵祭の書道パフォーマンスでの部長の迫力ある筆さばきを捉えた作品。写真部に入部して3年目で、1・2年の時は入選で、今回初めて最優秀作品に選ばれた。
 藤本さんは、「信じられない。大学に進学しても趣味として撮影を続けていきたい。今日の講演会は、人を撮影する時の注意など沢山得るものがあった。これからもシャッターチャンスを狙いたい」と話した。
 藤本さんをはじめ、入賞・入選した23名は、10月19日〜21日に帯広で開催の全道大会への切符を手にした。
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