森井市長に翻弄される職員 決算特別委2日目


 小樽市議会は10月6日(木)、決算特別委員会(林下孤芳委員長)2日目を迎えた。6日は、総務・経済所管の事項について質疑が行われた。
 民進党・佐々木秩議員は、創業支援事業について質問した。同事業は、昨年4月に市と小樽商工会議所、そして市内金融機関が連携し、小樽創業サポート支援体制を発足させた流れで行われたものだが、市は、創業時の資金補助や起業セミナーなどを行った。
 佐々木議員は、同事業が、小樽にとって活気を産む大切な事業だとした上で、市と商工会議所、金融機関との三者連携の相乗効果について質問した。市側は「三者それぞれ担う部分が明確化され、お互いが何をするか分かるようになったことで、起業希望者にスムーズに案内ができるようになった」と答えた。
1006council.jpg また、市単独での実施が困難なため、プレミアム商品券事業を商工会議所に委託した市の説明を受け、「プレミアム事業のほか、産業港湾部が商工会議所と連携して行った具体的な事業は何か?」と質問した。市側は、非常に多岐にわたるとした上で、例として、小樽産品販路拡大事業、融資斡旋委託業務などを挙げた。
 市と商工会議所が様々な場面で連携を行い、二人三脚でやってきた経緯があると理解して良いかとの質問に対し、市側は「商工会議所は、小樽の総合経済団体であり、これまでも地域経済全体の諸問題の解決を図り、地域の声を国の政策に反映させるため、共に陳情・要望を行ってきた。これまで情報共有を図り、共に地域活性化に取り組んできた」と答えた。
 また、今後、商工会議所との関係についてどう考えているかについては、市側は「今後の地域づくりにおいては、地域経済・社会の活性化がかかっている。行政だけでは課題解決は難しく、地域経済団体との連携が不可欠。これまで同様に、これからも変わらないと考えている」と回答した。
 森井市長が、自身の考えを受け入れないという理由で、商工会議所を新幹線新駅に関するまちづくりの委員から独断で排除し、商工会議所と対立しているが、現場では、これまで通り、商工会議所との連携が不可欠との認識のもと事業が行われている姿が伺い知れ、市長の独断に翻弄される市職員のチグハグ感が浮き彫りになった。
 自民党・酒井隆行議員は、堤参与の報酬額の根拠について質問した。
 参与の報酬は月額30万円であり、その金額の根拠については、参与が任用された直後に開催された昨年の市議会第2回定例会から、ずっと議論されてきたが、市側はALTや臨床心理士の報酬を参考にしたと繰り返すだけで、議会側が納得する回答は得られずにいたままであった。
 今回、酒井議員は、市が説明する日額1万5千円の報酬額について、再度説明を求めたが、市側は臨床心理士の日額単価を持ち出す答弁を繰り返した。「参与は臨床心理士か?」との質問に市側は否定。「それでは、なぜ臨床心理士の単価を使う?」との質問に、市側は「参与はこれまで無かった職。報酬についても基準になる単価の嘱託職員は存在しない。そういう中で、単価を決めるためにはどこかに基準を求める必要があり、ALTや臨床心理士の単価を参考とすることになった」と答弁した。
 市側は、他市の参与の状況も調べ、単価も参考にしたことを答弁したため、酒井議員は、「単価ありきなのか?」と質した。市側は「単価ありきではない」と否定した。
 結局、他市の参与の単価を参考にした結果、小樽市のALTや臨床心理士の単価がほぼ同額なので、日額1万5千円の説明にそれらを持ち出した格好となったが、市側はあくまでも、単価ありきではなく、ALTや臨床心理士の単価を参考にしたと繰り返した。
 参与の任用は、森井市長の独断で決められたものであるが、堤正和氏が森井市長の後援会の幹事長代行を務めていたことから、その任用については論功行賞が取り沙汰されていた。
 さらにその報酬額が大多数の嘱託職員と比較して高額であるにも関わらず、森井市長は「金額は妥当だ」と話しており、森井市長のお手盛りの疑いが拭えないことが、議会で金額の算出根拠の追求という形になっている。
 任用された6月10日から翌3月31日までに堤参与へ支払われた報酬額は、総額305万6,501円だが、その報酬額の根拠については、結局明らかにされず、お手盛り報酬であったことが再び浮かび上がった。
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