カニくんVSアザラー! おたる水族館飼育員対決

 おたる水族館飼育員の熱い想いが対決する「カニくんVSアザラー」の3本勝負の最終ラウンドが、10月10日(月・祝)14:30から、海獣公園内の休憩棟で開かれ、カニとアザラシの身体能力について熱く語り、来場者の判定により8人対12人で、アザラーが勝利を収めた。
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 飼育員のトーク対決は、同館の初企画で、それぞれにカニとアザラシが大好きな同館の飼育員カニくんこと加藤健司さんとアザラーこと新野雅大さんの2人が、それぞれの生物に対する知識や優れた特徴等を語り、どちらが面白かったか、来場者に判定してもらう内容。
 第1戦目は、9月18日(日)に、食欲の秋にちなみ食べ物の話で対戦しカニくんの勝利。第2戦目は、9月25日(日)読書の秋にちなみ、オススメ本や文献・研究からの豆知識で対戦し、アザラーの勝利となり、1対1で本日第3戦目迎えた。体育の日にちなみ、カニとアザラシの身体能力で対戦した。
 カニくんは、カニの中でも飛び抜けて速く歩けるカニを紹介し、時速10kmで歩く夜行性のゴーストクラブや、渡りガニの仲間で後ろ足が進化しボートの櫂のような足を使って泳ぐカニ・ガザミを紹介した。1010otaruaqua2.jpg
 また、最強の300kgの握力を持つタスマニアオオガニは、体重でも最大級の大きさであることを語った。
 一方、アザラーは、アザラシの速く動ける能力や優れた潜水能力について語り、水中で、ヒレ状の後ろ足を使い時速20kmで泳ぐゴマフアザラシや、最強のヒョウアザラシは前足と後ろ足を使い、時速40km以上を出すことができ、時速30kmで泳ぐジェンツーペンギンを捕まえることも可能だと熱弁した。
 また、潜水記録NO.1は、深さ1,500m潜水時間120分のミナミゾウアザラシで、体長6.5m・体重4,000kgの世界最大のアザラシ。血液中のヘモグロビンが人間の3倍以上の酸素を蓄え、筋肉にも酸素を蓄えることができるため深く潜ることが可能と、両者気合の入ったプレゼンを展開させた。
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 来場者は、楽しそうに話を聞き、面白かった良かった方に移動。その結果、アザラーが勝利を収めた。
 アザラーは、「まだまだ、話足りない。今後、皆さんに伝えていきたい」と話し、カニくんは、「自信はあったが負けてしまった。まだまた話足りない。このままじゃ終われない」と再び対戦を申込み、大きな拍手に包まれていた。
 市内在住の同館ファンの安岡真裕子さんは、「飼育員のプロフェッショナルな知識が、次から次と出てきて、見直した。おたる水族館の魅力を高めたイベントとなったと思う。今回に限らず、もっと発表してもらいたい。力のある飼育員の面白おかしく、知識と話術がかみ合い、とても楽しかった」と満足した様子だった。
 おたる水族館HP