大正時代の小樽の物価は?金融資料館特別展


1020-0117kinyushiryou.jpg 特別展「大正時代のモノの値段と小樽のくらし」が、日本銀行旧小樽支店・金融資料館(色内1)で10月20日(木)から始まる。開期は2017(平成29)年1月17日(火)まで。銀行の街小樽を共通テーマに、市総合博物館(手宮3)と初めて共催展の形で開催する。金融資料館は入館無料。
 10月19日(水)に、報道向けの内覧会が行われ、今回の特別展を企画した日本銀行金融研究所貨幣博物館・関口かをり学芸員から見所の説明があった。
1019nitigin1.jpg 同展では、大正時代のモノの値段と小樽のくらしについて、7つのテーマで構成されている。小樽における日常を詳細に描いた『稲垣日誌』と、その記述内容に対応する貨幣博物館や同博物館の資料合わせて、約50点が展示されている。
 『稲垣日誌』は、稲穂小学校の校長だった稲垣益穂氏が、小樽に赴任した明治36年から昭和16年までに書き残した日記。歴史に残らないような日々の生活が残されている。
 関口学芸員は、今回の企画にあたり、同誌55冊を読み込み、日銀や経済などに関する部分を拾い出して、お金に関する当時の小樽の人々の生活を浮き上がらせる工夫をしている。
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 第一次世界大戦(1914~1918)(大正3〜7)により物価が上昇した結果、日誌の「これまでは1円札を持って買い物に出かけていたのが、最近は5円札を持たないと買い物が出来なくなった」という記述に、当時の1円札と5円札を展示するなどしている。
 同学芸員は、「稲垣日誌は、筆まめにいろいろなことが書かれている。社会経済史的な側面を、お金を使う側から書かれており、日本銀行との関わりも書かれている。今回の特別展では、それを紹介できる非常に貴重な機会だと思う」と話した。1103museum.jpg
 文化の日の11月3日(木)11:30からは、同博物館本館で、同学芸員を講師に、記念講演「銀行の街小樽~大正期の小樽の人びとの暮らしと日本銀行~」が行われる。文化の日につき、講演会、入館料ともに無料。
 金融資料館HP
 市総合博物館企画展
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