吹雪の中開通祝う! 旧手宮線散策路完成

 小樽市(森井秀明市長)は、旧国鉄手宮線散策路(全長1,606m)がこのほど完成したため、11月6日(日)10:00から、最終地点の手宮ST広場前(小樽市総合博物館手宮口前)で開通式を実施した。
temiyaline1.jpg あいにくの吹雪の中、森井市長をはじめ、横田久俊小樽市議会議長、建設常任委員、北海道旅客鉄道株式会社菊地和宏小樽駅長、NPO法人鉄道文化保存会飯田勝幸理事長、手宮地区連合町荒谷しげ子会長や各町会の会長ら18名が出席した。
 旧手宮線は、1880(明治13)年11月、手宮から札幌を結ぶ北海道で最初の鉄道として開通し、北海道開拓に重要な役割を担ってきたが、1985(昭和60)年に廃線となった。
temiyaline2.jpg その後、活用方法を模索する中、2001(平成13)年に、寿司屋通り側から整備を始め、中央通りまでの510mを整備した。2013(平成25)年から2016(平成28)年まで、小樽市総合博物館手宮口前まで1,096mの整備を進め完成した。工事費は、用地取得費3億2,000万円を含めて5億7,000万円。
 開通式で、森井市長は、「多くの観光客も含めて回遊され、市民の皆さんの憩いの場となることを期待している」と挨拶。引き続き、菊地駅長は、「136年前にできた旧手宮線の散策路を歩くことは、大変なロマンを感じずにはいられない。手宮線を利用するよう協力したい」と述べた。
temiyaline4.jpg 小樽市総合博物館・石川直章館長は、「日本で4番目に開通した鉄道で、この鉄道は、三笠から石炭を運ぶために作られ、その沿線に町ができ、この鉄道で北海道の近代化が果たされたと言っても過言ではない。さらに、三笠や空知の炭鉱で採掘された石炭が、ここを通って本州各地に運ばれた。ここを通った石炭は、日本の近代化を支えた石炭であり、この目の前の線路によって、日本の近代化が果たされた。歴史的役割を考えると、日本の中でも誇るべき鉄道」と称えた。
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 その後、テープカットで開通を祝い、予定していた八重桜の記念植樹は、悪天候のため中止となった。代わりにパンジーの種を配布し開通式は終了。
 同連合町会・荒谷しげ子会長は、「ずっと要望していた散策路が、すっかりきれいになり、人の流れも増えることとなり、手宮の地名や歴史を取り戻した感じがする。地域でできることを相談したい」と話した。
 旧国鉄手宮線
 旧国鉄手宮線の歴史