市と商議所は車の両輪!"重点施策要望"提出


 小樽商工会議所(山本秀明会頭)は、12月6日(月)9:00から市役所(花園2)市長応接室で、まちづくりや産業振興等の施策の要望をまとめた「平成29年度小樽市施策に係る要望」を、森井秀明小樽市長へ提出した。山本会頭ほか副会頭、専務理事の計6名が出席。市側は森井市長、上林猛副市長ほか関係部長等が応対した。
 要望は、市の新年度予算や事業計画等の作成に着手する時期に合わせ例年行われており、今年は諸施策12項目について説明を加えながら要望が行われた。◎要望書
occiyoubou1.jpg 会議所からは、「市と商工会議所は車の両輪という意識でこれまで連携してきた。昨年12月の要望以降、森井市長には、定期的な懇談の場を何度もお願いしたが、実現せずに今日を迎えており、特に新幹線新駅周辺地区整備や南小樽駅のバリアフリー化などのまちづくりに係る会議に参画出来ていない状況は遺憾である」ことが述べられ、地域間競争に遅れを取ることが無いように、オール小樽での取り組みへの理解を森井市長に求める異例の発言が、冒頭に行われた。
 新幹線新駅については、「策定委員会に参画していないことから戦略性の問題がよく見えないので、具体的な取り組みを推進する官民連携の協議会の早期設置などを要望する」とともに、南小樽駅のバリアフリー化については、「エレベーターの設置は当面の策として大切だが、一方では58年経過した駅の老朽化と利便性が悪いことを考えると、駅舎全体の移転を含めた考えなどが無ければ手戻りになってしまう」といった懸念を指摘した。
 小樽港については、物流のほかに、観光の側面を取り入れた港空間の創造の必要性に触れ、会議所の整備案は、市の策定した「北運河および周辺地域観光戦略プラン」や「第3号ふ頭及び周辺再開発計画」などと戦略の方向性が一致しており、改訂小樽港港湾計画の早期策定や第3号ふ頭基部などの早期整備の実施を求めた。
 ◎北運河および周辺地域観光戦略プラン ◎第3号ふ頭及び周辺再開発計画
occiyoubou2.jpg また、地域活性化のため、創業支援策に力を入れていることに触れ、会議所が設置する創業のワンストップ相談窓口において、2015(平成27)年に27件の相談に19件が開業。2016(平成28)年は22件中8件が開業し、13件を継続指導していることを挙げた。「こういうことが積み重なり、街に力が生まれ、雇用を生み出すことができると思うので、着実に進めていきたい」と、補助事業の拡充や担当の職員配置を含めて、引き続き市の支援を求めた。
 このほか、市の工事や物品などの発注を、地元の中小企業や小規模事業者の経営安定や雇用確保等のため優先してほしいといったものや、産婦人科医師の確保について、北後志周産期医療協議会における抜本的な対策を進めるとともに、一方で、当面の策として、市立病院に産婦人科を設置するなど、なんとかもう1ヶ所出産のできる場所を設置することなどを要望した。
 今回、新しい項目としては、小樽駅前広場の歩車分離等の安全対策や築40年以上になる駅前第一・第二ビルの耐震化など、駅前再々開発計画の早期策定について加えた。
 山本会頭は、道が所掌する周産期医療整備については、北海道商工会議所連合会としても道に対し強く要請したこと、また、余市までの高速道路については、高速道路が繋ぐそれぞれの街の機能を高めるために、最低でも小樽ジャンクションのフル化を開発局へ要望したことに触れ、「まだはっきりとした結論が決まっていない中で、市と議会と商工会議所が連携して最後の詰めをきちんとしなければならない」と述べた。
 また、事業所総数が、平成6年に9,700を超えていたものが、現在、6,000を切っている状況について、特に商店街で廃業が進んでいることに危機感を示し、商店街対策をしっかりやる必要性を訴え、行政の協力を求めた。
 駅前再々開発については、「第一ビルが今年築43年を迎えることを考えると、耐用年数50年でもあと7・8年。特に区分所有になっているので権利調整に時間が掛かる。また、駅前広場についても危険性を指摘されており、このまま放置しておけない。早めに事業化をしていく算段のため、市の担当窓口を早急に決め、連携できる態勢で事業に取り掛かれるようにお願いしたい」と話し、最後に、「行政との連携が大切だと考えている。連携できるような繋がり、懇談できる場の設定を検討してほしい」と、改めて市長に要請した。
 森井市長は、「貴重な意見として受け止め、庁内で精査をし、具体的に回答する」と答えた。この後、報道機関が退室し、約30分間に亘り懇談が行われた。
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