子どもが安心して食事を摂れる場所「子ども食堂」を小樽市内に作ろうと、1月21日(土)13:30から、小樽市総合福祉センター(富岡1)4階研修室で、「ふくし100人会議inおたる」が開かれ、市職員・民生委員・福祉関係者・看護師など約70人が参加した。
小樽市生活サポートセンター「たるさぽ」・小樽ソーシャルワーカー連絡協議会「そある」が主催し、小樽わくわく共育ネットワークが共催した。
1人ではできないことも100人集まればできるかもが、ふくし100人会議のコンセプト。今回の特別編を入れて4回目の開催となる。
札幌市内では30ヶ所の子ども食堂があり、各地で子ども食堂が開かれる中、小樽では昨年6月に、小樽商科大学の本気プロの学生(白戸敬登代表)が、初めての子ども食堂を開き、子ども16名を含む40名が参加した。
その後、本気プロの履修が終わった後も継続され、同大学生5名と子ども食堂スタッフ8名による、フードバンク活動とこども食堂の運営を活動内容とした「CREAM」を立ち上げた。小樽ポッケ(緑1)を会場に2度の子ども食堂を実施している。
同会議の内容は、障害者・児童相談支援事業所相談支援専門員の片山寛信さんが、札幌で2つの子ども食堂に関わる楽しさを語り、白戸さんが子ども食堂を市内に作りたい強い思いを語った。その後、参加者全員でグループに分かれ、ワールドカフェを開いた。
片山さんは、自ら関わる豊平区と西区にある週1で開催中の子ども食堂の活動の様子を報告し、子どもがここにいて良いと感じ、参加していなくても居場所があることを子どもが感じられるよう意識しているという。
白戸さんは、フードバンク活動や子ども食堂のこれまでの活動について話した。6月に実施した子ども食堂では、フードバンクで集まった食材を活用して食事を提供し、大勢で食卓を囲むことにより、楽しく温かい空間を創造し、悩みを打ち解けあえる居場所となる。子ども食堂の活動が定着するよう、より多くの企業や個人・地域と繋がりを持つことが今後の目標。
北九州の事例から、子ども食堂が抱える問題点について、運営者の確保や本当に必要な人に届かないなどの現状を伝えた。
ワールドカフェでは、4~6名ずつグループに分かれ、「子ども食堂をつくろう」をテーマに2時間ほど話し合った。
それぞれのスキルを持った人が集まり、自分が描く子ども食堂を語った。衛生面やアレルギーを持つ子、資金や人材など、数々の問題点が上げられた。
また、全国の児童相談所における虐待の相談件数は、平成27年には10万件を超え、道内では3,900件の相談。児童養護施設の約60%が被虐待児童で、親が障害を有していたり貧困等の多重逆境を抱えている現状を伝え、退所者が求める居場所作りなど、いろいろな子ども食堂の提案を要望した。
地域で開かれた場合、子ども食堂イコール貧困を連想させ、入り辛いイメージを指摘。もっとイメージを改善する必要がある。貧困に関わらず、参加したい人が集まる場所とし、子ども達と一緒に調理することで、食育に繋げ、社会性や協調性を養う。商大生による学習支援なども行うなど、様々な意見が集まった。
市内60代の男性は、「子ども食堂を持続可能にするために、今後、力を貸したいと思って参加した」と話した。
白戸さん達は、バレンタインデーの2月14日(火)から、毎週火曜日に「たるっこ食堂」を小樽ポッケで開催。学校が終わる15:00から集まり、一緒に宿題をして、17:30頃にみんなで食事。子ども達と接する班と片付け班に分かれ、19:00頃には子ども達を家に帰していく計画だ。また、それぞれの団体が独立しているため、実行委員会を作る方向を示した。
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