市は答弁訂正!予算特別委再開


 小樽市議会(横田久俊議長)平成29年第1回定例会の予算特別委員会(前田清貴委員長)は、市側の資料が提出されず6日(月)から延期となっていたが、3月8日(水)にようやく再開された。
 冒頭、市側は3月3日(金)の答弁を訂正し、「指示は業者側の業務主任に対して行うもので、市側の業務担当員は、もちろん市長であっても現場作業員に直接指示することはできない」旨の発言を行った。
 公明党・斉藤陽一良委員が、答弁の訂正に対する市長と副市長の所感を求めた。上林猛副市長は、「(3日に)答弁したのはもともと法令に詳しい職員。そういう先入観もあり、誤解を与えるような答弁ではないと思っていた。誤解を与えてしまったということに関して言うと、私も大変申し訳ないと思っている」と答えた。
 一方、森井市長は「私も右に同じ」と答え、市長自身が夜間の作業にわざわざ出張った上で、現場作業員に指示をした・しないと問題になっていることの尻拭いをしている職員を顧みることも無かった。この森井市長答弁は、相変わらずリーダーの資質の欠如を露にしていた。
 8日の同委員会は総務所管の質疑が行われた。
 市の総合計画策定等に関する条例案について、昭和52年以来、計画策定の審議会に委員として参加していた市議会議員をはずす内容となっていることについて、複数の委員から質問があった。
 総合計画は、「基本構想」「基本計画」「実施計画」の3つの計画で構成され、街づくりの最も基本となる計画。基本構想は、街の将来像と将来の目標を掲げ、これらを実現するための施策の大綱を示したもの。基本計画は、基本構想に示された大綱を実現するための手段や施策を体系的に示したもの。実施計画は、基本計画に基づいて実施される個別の事業の内容や実施時期を示したもの。
 今回、市の条例案では、総合計画の策定審議会に基本構想と基本計画を諮問し、基本構想についてのみ議会の議決を必要とすること、さらに策定審議会には市会議員を含めない等としている。
0308council.jpg 市は、議員を含めないことを、「執行機関(市長)の付属機関(審議会)に議決機関(市議会)が入るのは適当でないとする昭和28年の行政実例」と、「道内主要10市では小樽市以外、計画策定審議会に議員が参加していない」といった2つの理由で、議員を委員からはずしたと説明していた。
 これに対し、共産党・小貫元委員は、「小樽以外は、審議会に議員が入っていないというが、札幌・函館・苫小牧では、審議会では議会でも議論される基本構想のみが諮問されることになっている。一方、今回の条例案では、審議会において基本構想と基本計画が諮問されることになっているにも関わらず、議会で審議できるのは基本構想だけ。これでは議会が基本計画をチェックできない」旨を指摘した。
 さらに、かつて小樽でも審議会に議員が参加していなかった当時、昭和46年、議会に提案された基本構想が議決されず、その後、特別委員会を設けて昭和48年まで引きずった歴史を示した上で、「審議会に議員が含まれなくなれば、総合計画は重要な計画なので特別委員会の設置などの話になる。それを今の市長と議会の関係では、どこまで上手くいくかを考えると、議員を審議会に加えた方が良いと思う」と、市に条例案の再考を求めたが、市は再考を否定した。
 森井市長が提案した、審議会から市議をはずす今回の条例案には唐突感がいなめず、新幹線新駅周辺まちづくり計画の策定委員に商工会議所をはずした一件を想起させた。市は、議員を委員からはずしても議会には密に報告すると説明するが、これまでの森井市長の議会に臨む姿勢からは、議員が市長の言葉を信用できないとするのは無理もないところだ。
 次に、森井市長の後援会幹事長が代表を務める運送事業協同組合が、市に400万円の損害賠償請求の訴訟を提起していることに関しては、民進党・中村誠吾議員が最高裁の判例をあげ、「(今回名誉棄損だとする発言は)議員が職務で質問したもので、原告側に無理のある訴訟だ。小樽市はたとえ原告が市長の後援会幹部であっても棄却を目指す訴訟をするのか?」と質したのに対し、市は、「すでに棄却を求めて応訴している」と回答。
 また、中村委員は、「万が一、市長が和解を考えているなら、議会の議決が必要となる」との確認に、市側も承知していると答えた。
 最後に同委員は、「市長の後援会幹部である原告は、市長と法的に利害関係にある。せめて裁判が終わるまで、私的に会うことは厳に慎むべきだ。訴訟提起後、原告の後援会幹部と会ったことがあるか?また、今後、会う可能性はあるか?特に2人だけで会う可能性は認識しているか?」と質した。
 森井市長は、「指摘の件とは違う件では会ったが、この件に関して会って話をしたこともないし、今後もそれについてはない」と答えた。
 同委員は、「市長は疑われる行動を厳に慎むべきであり、原告と通じて訴訟に臨むことは背任にあたる可能性があることを指摘しておく」と釘を刺した。
 H290308小樽市議会予算特別委員会1
 H290308小樽市議会予算特別委員会2
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