市長の排雪中止指示で論戦!予算特別委


 小樽市議会(横田久俊議長)平成29年第1回定例会の予算特別委員会(前田清貴委員長)が、3月13日(月)13::30から市役所(花園2)別館3階第2委員会室で開催され、建設常任委員会所管事項の質疑が行われた。
 去る2月9日(木)の夜間に協会病院前で行われていた排雪作業現場で、森井市長が現場に出向き、直接、現場作業員に対して作業を止めるよう指示をした結果、作業員が作業を中断したことは、違法な偽装請負にあたるのではないかと指摘されていた件で、市長は、「指示をしたのではなく作業内容の確認をしただけだ」と応じ、作業を中断したのは業者側が自主的に止めたかのような発言をしていた。
0313council.jpg 民進党・高橋龍議員の、「なぜ作業員は作業を中断したのか?」との質問に対し、市は業者からの聞き取り結果を報告した。業者の主張は、「市長が現場に来て、現在、行っている作業を一区切りさせた後、作業を終えてほしいということを言われた。市長がやめろというならやめなければならない」というもので、森井市長の主張とは食い違うものであった。
 2月9日の排雪作業は除雪対策本部の指示で行われていたもので、業者はなぜ森井市長が作業の中止を指示するのか、理由が分からない中で中断している。実際は、作業前日の2月8日に急きょ排雪予定を取り止めたことが、業者に伝えられていなかったためだが、市が急きょ排雪を止めた理由はよく分からない。
 現場は、協会病院や市立病院の間にある市道住吉線で、道路の中央分離帯に雪山が堆積して見通しが悪くなっている場所だ。むしろ排雪を行うべき場所と思われ、共産党・川畑正美議員も、「この場所は緊急自動車も通行し、歩行者も薬局や病院に行くためにたくさん通る。自分も車でよく通るが、雪山が高くてUターンするのに見えない。市民の安全からいっても問題だ」と指摘した。いずれにしても排雪の基準が明確に示されないことが問題だ。
 2月9日当日、森井市長が現場に出向いた理由は、石田博一議員から電話連絡を受けたため。午後8:30頃に石田議員から「危険な作業が行われている」と電話連絡があったと森井市長は答えているが、当日の作業工程によると、午後8:30には危険と思われる作業は行われていなかったことが、除雪対策本部の答弁で分かった。
 森井市長は、「危険な作業だったが、写真などが無いので証明はできない」という趣旨の発言をしているが、業者からの聞き取りでは、安全対策は行われていたことが、除雪対策本部の報告で明らかになっている。
 同本部は、「担当者が現場にいなかったため、当日の状況は直接確認していないが、業者から提出された書類上では安全対策が行われていた」と答弁している。自民党・中村吉宏議員は、「証明できないにも関らず、業者が危険な作業をしていたと市長が公の場で発言している。一方、業者側は安全対策を取ったと言っている。これは名誉棄損にあたらないか?市長は立場を考えて言葉を選ぶべきだ」と強く指摘する場面もあった。
0313sumiyoshiline.jpg また、危険な作業が行われていると石田議員から通報を受け、市長自身も危険な作業だったと認識しているにも関わらず、作業の終了を確認せず現場を離れた市長の対応に、高橋議員は、「本当に危険だったのか?危険だというのは後付けではないか?」と、その不自然さを指摘した。
 森井市長は、「なぜ排雪が中止になった現場で、作業が行われているのか分からなかったために、業者に確認した」とも発言しているが、高橋議員の、「現場作業員ではなく、なぜ除雪対策本部に確認しなかった?夜遅かったからか?」との問いに、市長は「それも理由である」といった趣旨の答弁をした。これもおかしな話で、午後9:00や10:00ならば残業をしている職員も多く、けっして電話の出来ない時間帯ではない。まして除雪対策本部であるならば、なおさらの話である。
 「危険な作業が行われていると議員から連絡があって、現場に出向かない方が無責任ではないか?」と森井市長は雄弁に語ったが、現場において適正な対処をした様子もなく、ただ業者側を困惑させ現場をかき乱す結果となった対応に、自民党中村議員は、「大将はうろうろ動き回るのではなく、きちんと指揮をするものだ」、公明党・秋元智憲議員は「組織とはそういうものではない」とそれぞれ論難した。
 森井市長の議会答弁は誰が聞いても要領が得ず、いつもながら其の場しのぎの場当たり的な答弁に終始している。これが議会質疑を長引かせる原因となっており、さすがに傍聴に訪れた市民もあきれていた。
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