カモメの見分け方! ミュージアムラウンジ


 小樽市総合博物館(手宮1)は、日頃良く見かけるカモメをテーマに、4月8日(土)11:00から同館2階研修室で、「ミュージアムラウンジ”小樽のカモメを見分けてみよう”」を開き、市民ら25名が参加した。
 山本亜生学芸員が講師を務め、カモメの種類やその見分け方、生態や暮らしぶりなどを解説し、身近なカモメをテーマに初めて知ることも多く、来場者はメモを取りながら話を聞いていた。
 カモメは1年を通して見かける鳥ではあるが、季節によって見かけるカモメの種類も違い、春の訪れを知らせるカモメであったり、カモメの特徴を知ることで、小樽の自然をもっと楽しむことができるのではとテーマに選んだ。
0408museumlounge1.jpg 54種類があるカモメは、水かきをもち、魚や甲殻類・軟体動物などを食料に生息している。潜るのは得意ではなく、海面の近くの生物を捕まえて食べている。また、死骸も食べることで海の掃除屋の働きをしている。
 小樽で見られる8種類のカモメについて詳しく解説し、特徴を覚えることで日頃見ているカモメを見分けることができると言う。
 通年は「オオセグロカモメ」、早春から初冬の「ウミネコ」、春と秋の「ユリカモメ」、冬は「ワシカモメ」・「シロカモメ」・「セグロカモメ」・「カモメ」・「ミツユビカモメ」が見られる。
 カモメの識別ポイントとして、くちばしの色と模様、背の色、大・中・小の大きさ、足の色(肉色・黄色・黒)、翼先端の色(黒・灰色・白)、尾の状態などから見分ける手がかりを紹介した。
 これからの季節は、オオセグロカモメとウミネコの2種類が小樽で見られる。この2種類を比較してみると、オオゼグロカモメは大型で、足の色は肉色、くちばしは黄色で下に赤紋がある。
0408museumlounge2.jpg 一方、ウミネコは中型で足は黄色、くちばしは黄色で先端に赤紋と黒帯がある。一番の特徴として、尾に黒帯があり、飛んでいるウミネコを識別できる。
 暮らしぶりも違いがあり、ウミネコは市街地でも巣を作ることができ、オオセグロカモメは人のいないところを選ぶ傾向。
 3月を境に北へ帰った冬のカモメ達には、「ワシカモメ」・「シロカモメ」・「セグロカモメ」・「カモメ」・「ミツユビカモメ」と、夏よりも多くの種類が観察でき、違いを詳しく解説した。
 ミツユビカモメは、足が黒く顔にも黒い模様があり、沖合いで生活するため、祝津の岬やパノラマ展望台から飛ぶ様子を見ることができる。ウミネコよりも一回り小さく、足の指が1本退化して3本に見えることから名付けられた。同館運河館で剥製を展示している。
 ほとんど北海道では見かけないユリカモメは、赤い足とくちばしが特徴で、夏は頭が黒くなる。
 山本学芸員は、「観察を続けることで、カモメの振る舞い方の違いも分かるようになり、身近な自然に親しみ、小樽の素晴らしい自然に関心を持っていただければと思う」と話した。
 参加した市内の女性は、「日頃見ているカモメの話なので興味があり参加した。カモメの種類が多くてびっくりした。とても勉強になった」と満足していた。
 小樽市総合博物館イベントカレンダー4月