小樽市総合博物館(手宮1)の活動や行事等に協力するボランティアの2016年度の活動報告会が、4月9日(日)11:00から同館2階研修室で開かれ、8つの部門の代表者が活動内容を報告した。
報告会に先立ち、石川直章館長は、「ボランティアは、講座の準備であったり同館の裏方の大事な部分を支えている。情熱と社会貢献する気持ちを持ち、博物館を一番利用してくれる人々でもある。今後も支えてくれればと思う」と挨拶した。
同館では、平成19年度からボランティア制度を導入。現在、8つの分野に分かれて活動、登録者は一昨年度より2割増の86名となり、登録窓口を設置。声かけの効果が増加の要因となった。60代から70代が多く、小樽在住者がほとんどではあるが、札幌在住者も1割ほど。無報酬でも有意義な時間を過ごしている。
博物館の展示物の説明等を行う解説ボランティアについて、野澤和男さんが報告。43名が登録し、29件935名が参加した。毎月の定例会で、それぞれが体験した出来事や情報を交換し、今後の活動に活かしている。昨年度は、クルーズ客船のオプショナルツアー109名に解説したり、JR小樽駅まつりに応援で参加した。野澤さんは、「ボランティアする上で、自分が楽しめる活動をし、おしつけにならないよう心がけている」と話した。
星空観望会や出前科学講座などを手伝う科学ボランティアは18名が登録。西村裕司さんが報告した。登録メンバーは仕事をしている人が多いため集まりはなく、メールで情報を交換。観望会やチャレンジラボ、ジュニア科学講座など、子どもと接する機会が多い。星空観望会は、自前の機材を持ち込み、参加者とともに楽しんでいる。特に科学に詳しくなくても協力できる。
歴史ボランティアは、岩崎迪さんが報告。男女8名が登録し、現在「稲垣日誌」の翻刻作業に力を入れている。
稲穂尋常高等小学校の校長を務めた稲垣益穂氏(1858~1935)が、1896(明治29)年から1935(昭和10)年までの約40年間に書いた55冊の日記は、当時の小樽の文化や町並み、生活の様子など描写している。薄い和紙に縦12行に、漢字・カタカナ・ひらがなが混じり、細い筆文字で崩して書かれている。
月1度、運河館に集まり、振り分けして自宅で読み、活字に直し校正作業を行う。先日、32巻を発刊。今年度中に33巻を発刊する予定で、現在34巻の翻刻・製本に向けて校正作業中だ。
引き続き、平成29年度のボランティア募集説明会が行われ、継続者・新規者を募った。
4月22日(土)・23日(日)10:00から正午まで、博物館敷地内一斉清掃を実施する「博物館ボランティアに興味のある人集まれ!」を開催。軍手持参・申込不要。
問合せ:0134-33-2523・FAX:0134-33-2678・メール 菅原・大鐘
◎博物館ボランティアについて