宙に浮く市民プール建設!無責任公約に活!総務委


 小樽市議会(鈴木喜明議長)の第2回定例会は、6月21日(水)13:00から市役所(花園2)で総務・経済・建設・厚生の各常任委員会を開催した。
 総務常任委員会では、森井市長が声高に叫んだ市民プール建設の公約について、各党派から質疑が行われたが、森井市長は就任2年を経過しても、建設についてなんらの目途も立っていないことが明らかになった。自分が選挙時に掲げた重要公約の実現の目途すら立てられない森井市政の”なにもやらない、なにもできない”実態がさらに明らかになり、市長に対する市議会の怒りもさらに増幅された結果となった。
 自民党・濱本進議員は、市民から平成29(2017)年度中に市民プールを建設するための基本設計や実施設計を行うよう陳情が出されていることに触れて、「陳情の趣旨を実現することは可能かどうか」質した。
0621council.jpg 市は、「29年度中に施設形態や建設場所を示す予定なので難しい」と、設計には至ることができない旨を答弁。また、森井市長は、「設計も含め一日でも早く対応できるように方針を示すことが私の責務」と答えたが、同議員は、「市長がやらなければならないのは、方針を示すことではなく、政治的な決断をして、作業が一日でも早く進むよう、担当職員に指示を出すことだ」と強く指摘した。
 共産党・酒井隆裕議員は、市民プールについて、「いまだに(プールの建設)場所が決まっていないのはなぜか」と問い質したの対し、建設場所どころか、今年度予算で行う他市町村への視察についても、何を視察していいのか検討に手間取り、視察場所が決まっていないことが明らかになった。
 同議員は、「プールの建設場所を聞いたつもりが、(まだ視察場所さえ決まっていないことは)大変失礼な話」とした上で、「市がプールの建築形態を併設型や重層型といった理由をつけて時間伸ばしをしていたのではないか。この2年間振り回されすごく残念に思っている」と述べた。
 民進党・佐々木秩議員は、市民プールについて、開設に至る大まかなタイムスケジュールを質した。市は「単独のプールとして建設された北見市の例を挙げ、基本設計に1年・実施設計に1年・建設工事に2年の計4年間かかっており、複合型では伊達市のプールが6年かかっている」と答えた。
 今議会に提出された、29年度中にプールの設計に取り掛かることを求める市民からの陳情についての採択の可否は、共産党・酒井議員が、「いつ作るかを決めて取りかかることが重要。市長が遅らせて来たことに問題がある」として陳情の採択を求めた。
 一方、自民党・濱本議員は、「市が用地の選定やプールの建築形態を確定していない中で、物理的に陳情の趣旨が実現できないことが明らかになったことから、期限内に間に合うなら市長に政策判断を促すために陳情を採択するところだが、実現不可能な陳情に対し断腸の思いで不採択せざる得ない」とした。
 同様に、公明党・斎藤陽一良議員は、「陳情の実現は難しい。ただしその原因は、公約で任期中の建設を標榜しておきながら、具体的な方向性を示すこと無く、実現の目途を明らかにしない市長にあるのは明らか」とした。
 民進党・佐々木議員は、「市長は市民にプール建設を約束しておきながら、いまだに場所すら決められず、将来ビジョンも見えない中で、森井市長の拙速に進めることにも不安がある。まずは調査を速やかにしっかり進めることを求める」と質した。
 安斎哲也議員は、「調査検討ばかりで先延ばしにし、市長にはイメージもビジョンも無かった」と、いずれもプール建設の早期実現を願い、陳情者の思いに配慮しながらも、市民の切実な思いにつけ込んだ森井市長の無責任な公約に、強い非難を交えてそれぞれ陳情に対する不採択の表明を行った。
 21日は、総務・建設・厚生の3常任委員会は予定通り終了したが、森井市長が、総務常任委員会に終日出席していたため、経済常任委員会で市長の出席を求めた公明党・秋元智憲議員の質問ができなかったため、23日(金)に引き続き開催される。
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