百蛾繚乱~完全公開!博物館の蛾類コレクション


0723museum1.jpg 小樽市総合博物館(手宮1)2階企画展示室では、7月23日(日)~11月5日(日)9:30~17:00、「百蛾繚乱ー完全公開!博物館の蛾類コレクションー」と題して、同館所蔵の蛾(1,029種類・6,663点)を一堂に展示する企画展がスタートした。
 ほとんどが初公開で、一挙に展示する貴重な機会となっている。
 昆虫の中で3番目に種類が多い蛾は、北海道に3,000種類以上の多種多様なものが生息している。夜行性で光に向かう習性があるが、昼間に活動する種類もある。
0723museum2.jpg 幼虫は、芋虫や毛虫と呼ばれ木の葉や茎を食べて成長する。蚕のように絹糸を取るために、5,000年以上前から飼育されたものもあり、蛾と言えど奥が深い昆虫と言える。
 同館で集められた蛾は、小樽市の昆虫研究者やコレクターにより寄贈された1970年代から、生物調査で採集した最近のものも含め、身近な蛾を中心に、町中で目にすることができる。
 同館ボランティアの佐々木譲さんが、長年に渡り標本にしてデータ管理を続けていることで、今回の展示作業もスムーズに進められた。
0723museum3.jpg 会場には、世界でもっとも美しい蛾とされる「ニシキオオツバメガ」や、世界一大きいと言われる天然記念物の「ヨナグニサン」、スズメバチに擬態している「キタスカシバ」、12月から2月の冬季に見られる「シロオビフユシャク」の、翅が完全に退化した珍しい雌の蛾も展示されている。
 灯火に集まるフクロウの蛾と呼ばれる「イボダガ」は、波状線と前翅の眼状紋が美しい。前翅と後翅に4つの眼状紋から「ヨツメ」と和名が付けられた蛾は、見る角度によって青く輝き、80~100mmの大型の「エビガラスズメ」は、胴部・腹部に赤い縞模様が特徴。
 蛾には毒を持つイメージがあり、ドクガ科の幼虫は毒針を持ち刺されると皮膚炎になる。成虫になっても腹部に毒針を持つものもあるが、ほんの数種類しかいないことなど、改めて、蛾の習性や特徴を会場で知ることができる。
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 担当の山本亜生学芸員は、「同館には沢山の種類の蛾が集められている。続けている調査により、小樽の森や海などの良い環境が、色々な種類の蛾を採集できることに繋がっている。この機会に足を運んでいただきたい」と話した。
 企画展関連事業として、8月18日(金)19:00から21:00まで長橋なえぼ公園で、灯りをつけて光に集まる蛾などの昆虫を観察する「灯りに森の昆虫を集めよう」を実施。8月2日(水)から先着20人まで申込みを受け付ける。
 チャレンジラボ「まゆだまころころ作り」9月の土・日・祝日(14:00・14:30)
 本館2階実験室・先着16人・当日受付。
 問合せ:0134-33-2523 小樽市総合博物館・本館
 企画展「百蛾繚乱ー完全公開!博物館の蛾類コレクションー」について