小樽出身でニューヨーク在住のピアニスト・野瀬栄進氏は、2010(平成22)年ニューヨークで結成したピアノとパーカッション(武石聡氏)によるユニット”THE GATE”の6枚目のアルバム”Uncertain Landscape”『あてのない風景』を、10月6日(金)に発売する。
ニューアルバムのジャケットやCDレーベル面、アルバムケース内部や裏等に、長く小樽を拠点に活動を続けた版画家・一原有徳氏の作品で、市立小樽美術館(色内1)所蔵の割鋸(われのこ・1964年)など6点が使われ、小樽ゆかりのアーティストがコラボレーションした。
アルバムの発売に先立ち、10月5日(木)11:00から、同館3階一原有徳記念ホールロビーで、記者会見が開かれた。
作曲家でピアニストの野瀬氏は、1971(昭和46)年小樽市生まれ。1992(平成4)年に本場でジャズ演奏を志し渡米。1994(平成6)年からニューヨーク在住。Blue Note N.Y.をはじめ、数々のクラブに出演。アメリカを中心に南米、日本などで演奏活動中。
武石氏は、茨城県水戸市出身で、ニューヨークに35年在住。ドラマー・パーカッション・プログラマー・アレンジャーとして世界中で活躍している。
一原作品を使用するのは、2010(平成22)年の”Waiting”に次いで、2回目となる。
野瀬氏は、「これまで発売したTHEGATEのアルバムの内、最初の4枚はライブアルバム。5枚目はニューヨークのスタジオで、今回もスタジオで収録。ジャズの枠にとらわれずに、アフリカチックな曲やバラード、北海道をテーマにした『コロポックルの踊り』や『3種のコロポックル』『アンジュ（天使）』など、色々な要素の曲を取り入れた集大成」と話し、「ゆくゆくはオーケストラとユニットするための曲を書いている。北海道のサウンド(大地・空気・ルーツ)を音楽にしようと構想中。このアルバムからいくつか波及させたい」と新たなプロジェクトについて明かした。
「CDジャケットは音楽ができてから考え、Waitingの場合は、ニューヨークで作っていて見つからず、小樽に戻った時に、グルービーのマスターに相談したところ、いつも見ていた一原作品に目がいき、息子さんに相談してできた。今回も、一原氏の作品がピンときて、使わせてもらった。同じ小樽のものづくり同士がコラボできてとても嬉しい」と完成を喜んだ。THE GATE結成後、2011(平成23)年から毎年ライブを実施。今回は、ニューアルバム発売記念ツアーを全国23ヶ所で開催。小樽では、10月15日(日)にアートヒルズ望海(桜3)を予定。
長男の一原正明氏は、「父の作品が掲載されたことを嬉しく思う。数年前にグルービーの 野田さんから紹介されWaitingのアルバムに提供したのがご縁。野瀬さんは、かねてから父の作品に対して深い好意を寄せており、グルービーで演奏も拝聴した。小樽出身で国際的に活躍される野瀬さんのアルバムをより魅力あるものにするため、父の作品を知っていただくために、喜んで承諾した。芸術を介したコラボレーションは、間違いなく小樽市民に大きな刺激を与えるものと期待している」とコメントを寄せた。
同オーナー野田弘之氏は、2003(平成15)年に店を始め、翌年8月に同氏の第1回目ライブを開き、これまでに35回を数え、親交を深めている。また、1979(昭和54)年の同館開設準備事務室に5年間勤務し、一原氏とも公私ともに繋がりがあったという。
野田氏は「ジャンルの異なる2人の作品が、再びコラボレーションされることを大変喜んでいる』と述べた。
野瀬氏は、「楽譜もなくメロディーもなく、その場で作る曲があり、2度同じものができないことも含め、一原氏のモノタイプ(1度だけ刷ることができる)のコンセプトが似ている。タイトルの”あてのない風景”も、一原氏のイメージからきた風景。前回は白黒だったが、今回は、珍しい赤い作品を起用した」と起用に至った経緯を説明した。
小樽でのライブについて、「景色が良く、ファーストステージ終わる頃に日が暮れる。毎回フレッシュな演奏を心がけ、エネルギッシュでもあり静かな時もある。アンプに繋がないで、生の音、バイブレーションを味わってもらいたい。小樽はスペシャルな場所。多くの来場を」と呼び掛けた。
”Uncertain Landscape”『あてのない風景』13曲入り3,000円
10月6日〜11月30日に、一原有徳記念ホール受付カウンターで購入すると、一原有徳作品の絵葉書(5枚組)をプレゼントしている。
発売記念ツアー2017 10月15日(日)開場16:00・開演17:00
アートヒルズ望海(桜3-20-2・0134-51-3100)
前売り3,500円・当日4,000円
予約:090-3890-5041 東健治 野瀬栄進コンサート実行委員会主催
◎野瀬栄進ブログ
◎関連記事
