狸庵の手作り市 魅力的な作品ずらり


 小樽市内新光4丁目にあるふれあいサロン「狸庵」(一條エツ子代表)で、秋の恒例行事「手作り市」が、10月28日(土)・29日(日)の10:00から16:00まで開かれ、開催を待ちわびた市民をはじめ、余市や札幌などから大勢の人々が訪れていた。
tanukiichi1.jpg 16回目となる今回は、菓子・陶芸・パッチワーク・リメイク・手芸材料など14つの個人、団体が集まった。趣味でこつこつと楽しみながら、この日のために製作した作品を持ち寄り、格安で販売した。
 作品を作った人から様々な話を聞くことができ、手作りの方法やコツなどを親切に教えてくれる。
 同サロンで、月2回針仕事好きが集まる「手仕事の会」では、着物からリメイクしたり、本を見て考えたり、アイディアが詰まった10名の作品約30種類を販売した。
 北海道ではあまり見かけない椿の実もブローチにして並んだ。最近では、手軽に作れ胸元を華やかに飾るブローチが人気だという。
tanukiichi2.jpg これからの季節に欠かせない手編み製品は、道新文化センターのメイビ編み教室の生徒による作品がずらりと並んだ。
 専用の鈎針を使い、特殊な編み方で、帽子やマフラー、ベストを制作。足カバーは、昨年のお客さんからのアドバイスをもとに改良したものもあった。
 同教室の生徒の1人は、「昨年から参加している。全て作品は1点もの。色あいなど自分が好きなように編むことができる。皆さんにメイビ編みを紹介し、工夫したり腕を上げることにも繋がる良い機会となる」と話した。
 13年ほど前から参加している市内の女性は、着物や和の布からリメイクしたチュニックや、柿渋を発酵させた液で胴裏を染めたストール、葡萄の蔓や胡桃に人工漆を塗って作ったブローチなど、自分が着けたいものや楽に着られる服など、1年がかりで製作した作品を販売している。
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 「亡くなった母の着物をリメイクした。見てもらう機会となり、毎年楽しみにしている」と話した。会場には次々と客が訪れ、手仕事談義に華を咲かせていた。
 夫の協力を得て、一條さん所有の空き家を市民が集まれるサロンに、4月から12月まで毎週火曜日に開放して16年となる。地域住民の集いの場・情報交換の場として使われ、手仕事が好きな仲間が集まったり、月に1度、落語・腹話術・琴演奏・出前講座・朗読会などのイベントも開催している。また、大きなイベントとしては、今回の手作り市と、3月の雛まつりを開催し、多くの人を楽しませている。
 一條さんも書道作品を出展し、「今後も続けたい」と笑顔で話した。
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