中央バス大幅減便の責任を糾す!市議会一般質問


 小樽市議会(鈴木喜明議長)は、12月13日(水)13:00から本会議を開催し、各会派による一般質問が行われた。
 北海道中央バスに関する質問が多くの議員から行われた。
 自民党・中村吉宏議員は、中央バスが12月1日の冬ダイヤから市内バス路線の減便に踏み切ったことについて、森井秀明市長の責任を質した。
 減便は、市内18路線(全体の75%)で、平日は255便(18%)、平日以外は232便(19%)が行われたが、近年、この様な大幅な減便は行われたことがない。
 これまでの中央バスは、出来るだけ協力は惜しまないという方針で、市に対応するとともに、地域公共交通の法定協議会の設置について再三要請をしてきたが、市長は、「協議会の決定事項を、経営としてやりたくない案件でも受け入れることの同意・確約が無ければ設置を進めない」といった趣旨の発言や、「市は中央バスに市民要望を伝えることしかできない」といった、自治体としての責務を放棄するような姿勢を取ってきた。
1213council1.jpg この森井市長の態度に対し、中央バスは、「今後は民間企業として出来得る、小樽市内路線の改廃と抜本的な見直しを進めざるを得ない。実施の際には通知する。異議などがあれば返答を願いたい」といった減便や路線廃止の実施を示唆する重要な内容の文書を、6月22日に送付していたが、市長は、これを5カ月以上も放置。11月29日に「できるだけ早い時期に会いたい」など、ようやく文書で回答していたことが明らかになった。
 中村議員は、この対応の鈍さについて、「12月1日から冬のダイヤ改正が行われるのだから、減便についてもしっかりと中央バスと森井市長が対話をして、市民のために何とか、中央バスに対しても市として何かできることがないかどうか、実のある議論を早い段階で行って来たのならば、これほどまでの減便やあるいは減便の回避ができたかもしれない」と強く糾した。
 また、11月30日に地域公共交通活性化協議会がようやく開催されることになったが、同議員は、「法定協議会がもっと早い段階で設立されていたら、協議の中で市内路線の対応や減便の本数について、もっと減らせたのではなかったか」と指摘。
 「公共交通ネットワークの再構築の実現に向け、リーダーシップを発揮する」と答えるだけの市長に対し、関係が悪化している中央バス社長と依然として会えていないことに言及し、「その前に、中央バスとの関係の再構築が必要ではないのか」と質した。
 公明党・斉藤陽一良議員は、減便について、中央バスが、民間企業として(市と協議することなく)、独自の判断で路線の改廃等、抜本的な見直しを実行し始めたことを指摘した上で、「中央バスからNOを突きつけられている森井さんでは、この問題はもう解決できない。(副市長が責任を取って辞職したが)森井さんこそ速やかに退場してもらわなければならない」と強く糾した。
1213council2.jpg また、民進党・佐々木秩議員は、中央バス社長と会いたいとする市長の目的について、「市長は社長に真意を伝えたいから会いたいと話しているが、社長から市長に対して成された抗議の内容が、前回議会において事実であったことが明らかになったのだから、まず謝罪から始まるのが普通ではないか」といった趣旨の質問をしたが、市長は、「議会の中では様々な指摘があったので、それが事実であれば謝罪するが、社長から状況等を把握させてもらい、確認したい」と議会議論を御破算にするような答弁を行った。
 同議員は再度、「人と人との関係は、間違いがあれば、まずきちんと謝ることから始まる。謝罪がなくて『真意を述べたい、真意を述べたい』と言っても、相手は聞く耳をもたない。それがまっとうな人間関係だと思う」と、子どもに諭すように話したが、市長は、「すれ違いなどもあったと思うので、その確認をした上で、その内容によって謝罪をしたい」と繰り返した。
 この12月の第4回定例会では、市長席の隣の副市長席が空席のままとなっている。これは、11月30日付で、上林猛副市長が任期途中で退職したことによる。
 議会から退職勧告を受けたことと、日頃の森井市長の言動に愛想を尽かしての副市長退任劇でもあった。これに対し、森井市長は自らに向けられた議会の辞職勧告には知らん顔のままだ。
 森井市政下では、市長自らが総務部長に任命した福祉部長が、市長に反旗を翻し辞表を提出して退職したり、次長や課長職にあった幹部職員も途中退職の道を選ぶなど、人心の離反が相次いでいる。関連記事
 森井市長は、女房役の副市長の後任を決められぬまま今議会に臨んでいる。森井市長の周りから次々と人が去り、民間のバス会社の社長からも愛想を尽かされ、相手にして貰えない異常事態を招いている。その結果の大幅減便のダイヤ改正の影響をもろに受けているのが、雪と寒風下の中、来ないバスを待つ高齢者をはじめとする多くの市民だ。関連記事
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