3ヶ月間のお別れ!アイアンホース号修理へ出発



 小樽市総合博物館(手宮1)の人気者・蒸気機関車アイアンホース号は、昨年秋から故障中。4月23日(月)9:30から、その修理のための搬出作業を公開。作業は予定よりも早めに進み、10:40にはトレーラーに積み込みが完了。12:00に同館を後にした。
 同館来場者のほとんどが乗車するアイアンホース号は、北海道で最も古い動態保存の蒸気機関車(1909年製造)。北海道の鉄道発祥の地・小樽で、蒸気機関車が活躍していた頃の姿を今に伝える重要な車両。
museum1.jpg 小さな子どもから大人まで、特に家族連れに人気があっただけに、汽笛が聞こえない日々を寂しく思う人も多い。1日も早く元気な姿で汽笛を鳴らし颯爽と走る姿に期待した。
 9:00頃から作業を開始。株式会社三和重機(北広島市)の巨大なトレーラーやトラック・2台の大型クレーン車が、同館屋外のアイアンホース号の車庫前に到着。搬出作業を一目見ようと、約30名ほどが同館2階テラス等に集まった。
 重機を操作する同社と鉄道車両専門の札幌交通機械の社員ら15名と、同館担当職員らが作業を進める中、小樽市教育委員会、市産業港湾部日本遺産担当職員らもその様子を見守った。
museum2.jpg 機関車庫内で機関車と炭水車を切り離し、人力で機関車を転車台に移動させ、転車台で方向転換させて、また人力で線路に移動。大型クレーン2台で機関車を吊り上げ、無事にトレーラーに積み込み、札幌交通機械のある札幌市東区へ向け出発した。
 工場で分解しボイラーを荷役して、GW明けに苫小牧港フェリーで新潟へ。陸路で大阪の工場へ運び修理され、7月上旬には同館に戻り、運行再開に向けて準備し、7月末の運行を予定している。
 そこで、修理費用を募るガバメントクラウドファンディング(GCF)の制度を、本日から開始し。600万円を目標額に、多くの寄付を募っている。期間は7月21日(土)までの90日間。
 個人の寄付は「ふるさと納税制度」と同様の税控除を受けられ、5,000円以上寄付をした人には、返礼品として同号の運転席で記念写真撮影ができる権利や車掌業務などの体験、リストランテ トレノ(手宮1)の食事券、同号製造銘板レプリカなど限定品も用意。


 石川直章館長は、「蒸気機関車の汽笛の音を再び響かせたい。小樽の子どもたちに、蒸気機関車の迫力を体験させたい。そのためにも協力をお願いしたい」と話した。
 小学生の孫と何度もアイアンホース号に乗車している斉藤時子さんは、「学校に行っている孫に代わり、仕事の帰りに急いで来た。早く直るように見送りしてきてと頼まれた。孫が1歳の時からアイアンホース号に乗車し、数えきれないほど乗り楽しませてもらっている。しばらくは姿が見えないので寂しい」と復活を祈った。
 ガバメントクラウドファンディング™「蒸気機関車アイアンホース号復活プロジェクト」
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