小樽に残した文豪の足跡 文学館企画展


bungochara1.jpg 市立小樽文学館(色内1)の企画展「小樽に残した文豪の足跡」が、10月28日(日)まで開催。若い女性文豪ファンが、国内外から訪れる人気のスポットとなっている。
 日本を代表する文豪が、それぞれの人物像を表現する衣装をまとい、再びこの世に転生するゲーム「文豪とアルケミスト」(DMM GAMES)をきっかけに、全国の文学館に若い女性の注目が集まっている。同ゲームの登録者数は、2018(平成30)年3月時点で75万人を超え、文豪に熱を上げる女性が急増。ゲームキャラクターを通じて、人物像や著書に興味を示し、各地の文学館で文豪について調べている。
bungochara2.jpg 同館では、小樽ゆかりの幸田露伴・有島武郎・志賀直哉・北原白秋・石川啄木・宮沢賢治・中野重治・小林多喜二のゲーム上のキャラクターを、DMM GAMESの協力で、等身大のパネルにして展示。会場を改装してゲームバーを再現し、撮影スポットになっている。
 小樽ゆかりの文豪が残した知られざる足跡を、文学作品と原稿の複製などの文学資料によって辿り、小樽の文学青年たちに文学と人間性によって強い影響を与えた文豪・石川啄木らと、青年たちと心の交流を物語る貴重な手紙や写真、文豪たちとの人間関係を知ることができる相関図を展示。
 久米正雄監督の「現代日本文学全集」(改造社)を上映。同作品の宣伝のために、諸作家の日常生活を撮影し、全国各地の文芸講演会で上映したもので、武者小路実篤・芥川龍之介らが出演。小林多喜二や伊藤整も観たという。
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 札幌在住の熱いファンが、「文学散歩 in 小樽」と題して、小樽文学者ゆかりの場所をまとめた手描きの地図や、会場の8人のパネルキャラクターにあわせ、代表的な著書の解説文なども協力した。
 企画担当者は、「小樽にこんな文豪が来ていたことを知ってもらえればと思う。若い女性ファンが会場で真剣に作品を見ている。この企画が文学を楽しむきっかけになれば嬉しい」と話した。
 9月開催のアニメパーティで会場となった同館で、出会った女性有志が、14日(日)13:00頃から、好みの文豪キャラクターに扮して集う予定。
 企画展「小樽に残した文豪の足跡展」10月28日(日)まで10:00~17:00
 小樽文学館(色内1) 毎週月曜日・10/9・10休館
 入館料一般300円、市内70歳以上・高校生150円、中学生以下無料
 企画展「小樽に残した文豪の足跡」