ティファニーステンドグラスギャラリー!似鳥美術館

 株式会社ニトリ(札幌市北区:代表取締役社長兼COO白井俊之)が運営する小樽芸術村の似鳥美術館(色内1)に、宝飾品で有名なティファニー社創業者の長男ルイス・C・ティファニーのステンドグラスギャラリーが、11月22日(木)にグランドオープンした。
Tiffanyglass1.jpg
 グランドオープに先立ち、10:00から「四福音書の窓」等が輝く同ギャラリー内で記念式典が開かれた。同社ホールディングス・似鳥昭雄代表取締役会長兼CEOをはじめ、高橋はるみ北海道知事、秋元克広札幌市長、札幌観光協会・柴田龍会長、迫俊哉小樽市長、小樽観光協会・西條文雪会長が出席してテープカットを行い、関係者・招待客100名がオープンを祝った。
 8月22日(水)にプレオープンした同ギャラリーに、修復に時間を要した「聖パウロアテネでの説教(1900~1905)」と、「天使ケルビム(1900~1905)」2組が新たに加わり、重厚で輝き放つステンドグラス32組が出揃った。
 さらに、ルイスの作品の構造と技法を分かりやすく解説したコーナーを増設し、よりステンドグラスの魅力を分かりやすく紹介している。
Tiffanyglass3.jpg
 2016(平成28)年に旧高橋倉庫に開設した「ステンドグラス美術館」のイギリスヴィクトリア調のステンドグラスと、ルイスのアメリカで制作された教会ステンドグラスの違いを堪能できるのは、世界でここだけの貴重なギャラリーとなる。
 記念式典の中で、似鳥会長は、「開設の目的は、何か貢献したいと思っていたところ、小樽運河の周りにある古い建物で美術館を開こうと始めた。小樽と札幌を近づけ交流できる美術館となり、皆さんに感動してもらえればと思う」と挨拶。
 引き続き、高橋知事は、「素晴らしい芸術を拝見して、朝から感動した。似鳥会長が自ら選んだという、日本を代表する芸術品やイギリスの教会のステンドグラスも鑑賞でき、国内外の観光客が足を止める、素晴らしい北海道の新しい観光スポットとなっている。今日のグランドオープンを大きなきっかけとして、さらに発展することを祈念する」と述べた。
Tiffanyglass2.jpg
 同ギャラリー展示中のステンドグラスは、アメリカ合衆国、ニュージャージー州ジャージーシティのセント・ジョーンズ・エイビスコバル教会の内部、正面の高い位置に飾られていた。
 「天使ケルビム」は、神を讃えることに携わる天使のような存在で、東側壁面には、もう一枚のケルビムが同じ高さで向かい合うように飾られていた。かなり損傷がはげしく、割れた硝子の間には、埃や虫、砂が入り込み、現在、それらの成分を分析中とのこと。
 ステンドグラス作家で研究家の志田政人同村顧問によると、「聖パウロアテネ」は、ルイスの作品の中で1枚しかない絵付けした作品で、何枚も硝子が重ねられていて300kgもあり横にすると硝子の重みで割れてしまう扱いにくい作品で、修復に時間を要した。重ねられたガラスの数の最高では8枚と言われ、ここでの7枚を確認している。
Tiffanyglass4.jpg
 技法や構造などを展示解説したコーナーでは、同ステンドクラスの仕組みを、見て触って体験でき、ライトが10秒消え30秒付くことで、ガラスと光の絶妙な表現を知ることができる。
 うねるような立体的なドレープのドレバリーガラス、細かい波のようで鰊の骨のように見えるヘリンボンガラス、小さなハンマーで叩いた丸い出っ張りがあるハンマードガラスなどルイスが使用した13種類のガラスを展示紹介。ガラスを重ねることで表現する複雑な色彩や、見所となるルイスとイギリスヴィクトリア調ステンドグラスとの違いを分かりやすく解説している。
 本日14:00から一般公開となり、待ちわびた観光客らが訪れ、ステンドグラスの構造や技法を知る貴重な施設を楽しんでいた。
 似鳥美術館の営業時間は10:00~16:00(11月~4月・最終入場15:30)
 小樽芸術村
 関連記事