祝津ニシン漁の写真展!茨木家中出張番屋

 祝津ニシン漁場歴史を伝える祝津3丁目にある茨木家中出張番屋が、4月26日(金)から、春の訪れとともに見学と利用を開始した。

 

 歴史に詳しい5名が交代で常駐し、ニシン漁の歴史や番屋の仕組みなどを、来場者に分かりやすく伝えている。5月2日(木)は、小樽市総合博物館特別研究員の竹内勝治さんが当番だった。

 同番屋は、祝津に現存する番屋4つのうちの1つで、2011(平成23)年に小樽市都市景観賞を受賞している。

 山形県出身の初代当主・茨木與八郎氏が明治後期に、漁夫の住宅として建て、木造亜鉛メッキ鋼板葺平屋建(279.33平米)。漁夫の生活する寝台などが当時のまま残され、伝統的な鰊番屋の趣を伝える。建物の特徴もパネルで紹介。漁夫は、2月頃各地から集まり、6月上旬頃まで寝泊りした。

 

 昨年5月の日本遺産追加認定では、祝津のシンボル的存在の日和山灯台がある高島岬(日和山)や恵美須神社の船絵馬も構成文化財に含まれた。番屋内の公開とともに、これまで常設していた番屋の歴史やニシン漁に使われた当時の道具や貴重な写真に加え、新たに北前船主のふるさと写真展が始まった。

 おたる案内人ボランティアの会の伊東守さんが撮影した、福井や富山、石川県で北前船に関連した22枚を展示している。

 写真展の中には、日本遺産に認定されて、回船業や倉庫業などを営む新潟を代表する豪商の旧小澤家の住宅(新潟県新潟市)などがある。

 

 ニシン漁に使われた浮きはアバと呼ばれ、軽くて腐食しづらいきり材が使用され、ニシンを運ぶ時に使ったもっこ・やさかぎ・あんばい棒は、使用している写真と一緒に。白子と数の子を分けて入れるてっこなど実物の道具も展示している。

 当時の写真には、ニシンを粕炊(かすだき)き釜で煮る様子、粕玉(かすだま)と呼ばれた角胴で圧搾した漁粕(ぎょかす)はが細かく刻まれ、むしろの上て天日干しされる様子が写されている。

 

 小樽で獲れたニシンは、魚肥として西日本の綿花や藍をはじめとした作物や米に使われ、良く売れ、北前船の大儲けの品となった。

 6月1日(土)・2日(日)開催の第11回祝津にしん群来祭り日本遺産記念特別企画で、露天風呂に使用するニシンの粕炊き釜を、山中海岸から同番屋敷地内へ移動。祭り終了後、貴重な資料として展示する。

 同祭りでは、祝津日本遺産めぐりツアーを開催。先着25名・プチ小樽群来太郎丼付き300円。同番屋に集合し、恵美須神社・旧白鳥家番屋・近江家番屋・日和山灯台・小樽鰊御殿を巡るコース。参加希望者は、5月7日(火)~24日(金)にTEL(0134-32-0111)で。

 茨木家中出張番屋
 開館日:4月26日(金)~10月14日(月)の毎週金・土曜日・祝日
    :4月26日)金)~5月6日(月)・7月26日(金)~9月16日(月)連日開館
 開館時間:11:00~15:00
 見学寄付金(番屋維持管理費)200円・中学生以下無料
 問合せ:0134-26-6160 NPO法人おたる祝津たなげ会

 ◎茨木家中出張番屋HP〜見学と利用について

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