総合博物館企画展 星コレクション北鉄路の記憶

 小樽市総合博物館(手宮1)は、昭和30年~40年代の鉄道写真150点を展示した、「星のコレクションー北鉄路の記憶 昭和編」を、9月23日(月・祝)まで2階企画展示室で開催している。

 

 小樽在住の鉄道史研究家・星良助氏が撮影した道内の鉄道風景写真を、6つのテーマで構成し、国鉄・私鉄・専用線と、登場する路線は39にも及び、猿払から根室まで道内各地の当時の鉄道風景を楽しむことができる。

 

 小樽在住の星氏(84)は、1956(昭和31)年から道内各地で鉄道の撮影や研究を始めた鉄道史研究家で、写真集などの著書多数。

 

 同氏が撮影し、同館に寄贈した鉄道風景写真とネガファイル40冊(約1万枚)の中から、選りすぐりの150枚を展示。車両もさることながら、車両についているプレートや車内、1957(昭和32)年の手宮駅の朝の風景、1961(昭和36)年の小樽塩谷間のラッセル車出動なども撮影され、当時の北海道の鉄道史を伝える記録として、どれも貴重な写真ばかりだ。

 

 担当の佐藤卓司学芸員によると、これらの写真の撮影に使用したカメラも展示されている。レンズ交換ができないフィルムカメラで、写真からは、まるで望遠や広角レンズで撮影したのかと思われる写真で、「レールに載っているものは何でも撮る」が、星氏のモットーだそうだ。

 

 道央では、海水浴客で混雑する銭函駅の様子や石炭輸送を目的とした三菱美唄鉄道、大夕張炭鉱の専用鉄道として1911(明治44)年に開設された三菱大夕張鉄道など。

 

 道南では、鰊などの海産物や木材、鉱物を運ぶ寿都鉄道、江差線と松前線に分かれる駅での郵便袋の積み下ろし風景。

 

 道北では、稚内の防波堤ドームの蒸気機関車C5549号。

 

 鉄道の記念行事にも撮影に出かけ、1995(平成7)年、小樽からニセコ臨時列車C62ニセコ号は、運行最後を塩谷トンネル付近で狙った。

 

 佐藤学芸員は、「展示した写真すべてにそれぞれの良さがあり、北海道の鉄道の歴史や小樽の歴史も見ることができる。鉄道風景だけではなく、乗客の様子などからは、当時の世相も分かる貴重な写真。この機会に観ていただきたい」と、来場を呼びかけた。

 

 星コレクションー北鉄路の記憶「平成編」は、同館運河館(色内2)トピック展で、4月2日(火)~6月27日(木)に開催された。

 

 星コレクションー北鉄路の記憶「昭和編」 9月23日(月・祝)まで

 小樽市総合博物館(手宮1)2階企画展示室 火曜日休館

 入館料一般400円、高校生・市内在住70歳以上200円、中学生以下無料