小樽の石蔵や軟石をテーマにした「小樽石蔵アート展」が、9月7日(土)10:00~17:00に、小樽市観光物産プラザ(色内2)三番庫ギャラリーで開かれた。
2018(平成30)年2月に発足した小樽石蔵再生会(簔谷修会長・55名)が主催し、昨年に引き続き、小樽市ふるさとまちづくり協働事業の助成を受けている。
昨年の石蔵シンポジウムでは、軟石の分布など軟石について語られ、今年は、石蔵の魅力を五感で感じてもらおうと開かれた。
市内の石蔵の建物は317棟もあり、その中で、所有したり再利用している人は20名で、現在小樽の軟石は採掘されず、石蔵や彫刻・ベンチ・花壇に使われているものだけとなり貴重なもの。
事務局の川嶋王志さんは、「市内に点在している石蔵を再利用して、石の町をイメージして展開したい」と話す。
会場には、5名の作家による軟石アート40点をはじめ、軟石をテーマにしたプロカメラマンらが撮影した写真40点、石蔵DVD、ギターとベースが奏でるJAZZコンサート、アーティストコラボ、軟石に触れる体験、紙芝居の語り部、小樽石蔵需給相談会の8つのコンテンツで、イベントを通じて、石蔵が多様な価値を生み、小樽独特の文化と観光に貢献するイメージを醸造することを目的として開催。
石蔵は、「過去の空間から未来の開放空間へ、隠すより表したい、仕舞うより生かしたい、埃を被るよりも持ちたい、そんな変化を再生は呼び込んでくれる。小樽の石蔵のイメージは時を経て運動を肥やしに進化する」という。
彫刻家の渡辺行夫さんは、運河プラザ中庭に、寺にある灯篭の宝珠などから作品を制作した函犬やフクロウを展示。風化しやすい特徴の軟石の“古い感じ”を取り入れたアート作品に仕上げた。風化しやすいことも魅力でもあり、もろくて柔らかくて、水分を含み苔が生えているものもある。
読み聞かせで知られる中川めぐみさんが脚本を手がけ、笹原馨さんが絵を担当して、紙芝居「小樽石蔵物語」が完成。中川さんが語り部となり、11:00と14:00に開かれた。
深い愛の祈り、新しい伊吹、ノスタルジックの3種類のハーブティーを提供するアロマインストラクターの瀬川佳子さんと、切子作家の稲垣あけみさん、金継の村岡亜佐美さんが参加し、アーティストコラボが行われた。
石井伸和氏は、「目で見て触って、匂いや音を聴く、五感で感じてもらうイベント。軟石アートは、室外で風化することで、芸術に磨きがかかる」と話した。
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