朗読録音奉仕で受賞報告 加藤氏・稲村氏

 視覚障害者のための朗読録音の奉仕活動者を顕彰する、「第49回記念朗読録音奉仕者感謝の集い」(東京都千代田区)が、9月26日(木)に開かれ、小樽朗読友の会所属で、小樽点字図書館の朗読ボランティアである加藤瑠璃子さん(73)が全国表彰を、同じく稲村和子さん(71)が、9月6日(金)に地区表彰を受賞し、これまでの功績が認められた。

 

 公益財団法人鉄道弘済会と社会福祉法人日本盲人福祉委員会主催の「第49回朗読録音奉仕者感謝行事」が行われ、朗読録音及び校正並びに、DAISY編集奉仕活動を行い規定の条件を満たした者の中から、全国表彰7名と地区表彰29名が選ばれた。

 

 その報告会が、10月4日(金)9:00から、市役所(花園2)2階市長室で開かれ、受賞者2名が小樽朗読友の会の宮嶋信子会長とともに訪れた。

 

 迫俊哉市長は、「本があって録音と思っていたが、選書からスタートしチームワークが問われる。さらなる向上のために力添えをいただきたい。行政との連携も重要」と話した。

 

 この道25年の加藤さんは、子育てに一段落し、本を読むのが好きで本に係ることがしたいと、趣味仲間の稲村さんの勧めもあり、朗読ボランティア講座を受講。

 

 これまでに、97タイトル・総録音時間約1,971時間にも及ぶ。穏かで正確な読みに定評があり、朗読の指導員としての後進の育成にも尽力し、会員の手本となる存在。全国表彰の基準を満たした。

 

 この度の受賞を「もう少し頑張って続けたい。受賞にとらわれず、今まで通りにやっていきいたい」と話し、朗読録音奉仕者の魅力については、「いろいろな本を読んでいるうちに、作家の書き方に特徴があり面白さを感じる」と話した。(左:加藤さん・右:稲村さん)

 

 一方、この道28年の稲村さんは、本が好きで、朗読ボランティア講座を受講。録音図書編集の奉仕活動は18年を越え、手がけたタイトルは188・総録音時間は約1,456時間にも及ぶ。他の編集者のCD図書のチェック作業や適切なアドバイスを行い、過去の図書作品をPCに取り込みCD(DAISY図書)に完成させている。見えない努力は他の部員から強く信頼されている。

 

 「あっと言う間に20年が過ぎ、仲間のはつらつとした姿を見て、頑張る力をもらっている。他の会員にも引き続き頑張って上を目指してもらいたい」と話し、DAISY編集の魅力について、「読まれたテープを校正の方を通し、最後の仕上げとして少しでも聴きやすいようにCDに仕上げること」と答えた。

 

 1972(昭和47)年に、小樽市総合福祉センターが設立され、朗読ボランティアの活動を開始。翌年、小樽朗読友の会が発足。3年後には、厚生省の認可を受け、点字図書館ができる。同友の会は、現在84名の会員。

 

 視覚障害者のために、録音図書を制作し貸出。毎日の後志版の新聞朗読や広報おたるやタウンガイド、市議会だよりも定期的に制作している。

 

 宮嶋会長は、「視覚障害者だけではなく、寝たきりの人や高齢者等に対象者を広げ、録音図書の周知を図るためにも、点字図書館と小樽市の連携を強化したい」と強く要望した。

 

 ◎小樽朗読友の会(外部)

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