辰野金吾没後100年特別展 金融資料館

 日本銀行旧小樽支店金融資料館(色内1)では、同銀行を設計した建築家・辰野金吾没後100年の節目を記念した特別展が、11月15日(金)から2020(令和2)年2月18日(火)まで開催されている。

 

 同館の特別展示室内に、6ケースの中に貴重な写真や資料を展示し、7枚のパネルと共に、「辰野金吾と日本銀行建築―同級生と協演のまち 小樽―」を紹介している。

 

 辰野金吾(1854-1919)は、明治・大正期に日本銀行本店や小樽支店、東京駅などを設計した日本人建築家初の国家的建築家として活躍し、同級生(工部大学校一期生)の佐立七次郎や曽禰辰蔵らについても、小樽の建築と合わせて紹介している。

 

 辰野は、2年間、イギリス人建築家・コンドルに学び、官費留学生として2度の海外渡航をした。欧米の銀行建築の視察後、ロンドンで設計の原案を作り、1896(明治29)年日本銀行本店本館を竣工。特別展では、建築構造を詳しく説明し、日本橋川沿いの兜町にヴェネツイアンゴシック様式を取り入れた澁澤栄一邸も紹介している。

 

 その後、1898(明治31)年に竣工した日本銀行西部支店、1912(明治45)年に同銀行小樽支店、1913(大正2)年の関与した最後の銀行となる同銀行福島支店まで、全国各地の日本銀行建築工事顧問として、日本銀行技師の長野宇平治と共に、同支店建築に携わった。

 

 また、同級生の曽禰は旧三井銀行小樽支店(色内1)、佐立は旧日本郵船株式会社小樽支店(色内3)を設計し、同校一期生の片山東熊は、小樽に作品はないが、東宮御所(現迎賓館赤坂離宮)を設計している。

 

 辰野金吾没後100年特別展

 「辰野金吾と日本銀行建築-同級生と協演のまち 小樽-」

 11月15日(金)~令和2年2月18日(火) 入館無料
休館日:水曜日・年末年始(12月29日~1月5日)
開館時間:4月~11月9:30~17:00
    12月~3月10:00~17:00 入館は16:30まで
日本銀行旧小樽支店金融資料館(色内1)特別展示室内

 

 ◎日本銀行旧小樽支店金融資料館(外部)

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