個性派集団“THEY展” 5回目の集大成

 小樽・札幌在住11名の個性派芸術家による「THEY展」が、12月4日(水)~8日(日)に、市立小樽美術館(色内1)1階市民・多目的ギャラリーで開かれている。

 

 5回目となる今回は、水彩・油彩・アクリル・日本画・織物・インスタレーション等35点を展示し、独自の世界観を作品を通じてアピールし、作家仲間をはじめ、来場者の目を楽しませている。

 

 会を取りまとめる三宅悟さんは、「5回目となり、色々なジャンルの作家が集まって年々レベルアップし、バランスが取れまとまった雰囲気になってきた」と今回の作品展を評価した。

 

 鈴木比奈子さんはイラストやデザインが主だったが、4、5年前から大きな作品を手がけ、今回は、鏡にように反射したサナギのメタリックさに着目し、ツマムラサキマダラを題材に描いた。蝶の羽の綺麗さなど、森の小宇宙として表現した。

 

 三宅さんは、大作のエスキース(下絵)を作品に。余市川の風景では、雪や冬空の色が寒々しく臨場感に溢れている。併せて人物と物も展示している。

 

 織物作家の加藤祐子さんは、再利用で作品を生み出し、薬の包み紙で織ったインスタレーション作品を「薬包虫」と名付けた。

 

 多様な骸骨を作品にする鳴海康弘さんは、市展作品と新作を粘土で作ったハートで初のインスタレーションした「愛は永遠に」。「みんな持っている骸骨、どんな人でも一皮むけば骸骨」が作品のテーマ。

 

 

 「心のひだ」を発表する小川豊さんは、初の紫色に挑戦し、「やわらかさを強調し、観ている人の感情に触れ、吸い込まれるような作品を目指した」と話した。

 

 村上勢子さんは、静物を題材に輪郭ははっきりと描かず、ブルー系の色彩で仕上げている。その時々で同じブルーにも濃淡があり、色を楽しんでいるという。

 

 メルヘンな世界が広がる絵本作家のかつやかおりさん、雨を題材に人と自然を繋げたい一心で制作する高橋一文さん、キューブを使ったインスタレーションで楽しませる上嶋秀俊さん、優しいタッチの菅原おりえさん、日本画の小梁川貴子の作品も展示している。

 

 どの作品も、自らが楽しみながら取り組むことが、共通のキーワードになっている。

 

 THEY展 12月4日(水)~8日(日)10:00~17:00(最終日16:00)

 市立小樽美術館(色内1)1階市民・多目的ギャラリー 入場無料

 

 ◎THEY展(外部)

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