小樽の歴史・文化 魅力と可能性を探る!

 1月20日(月)18:30から、小樽石蔵CAFE BAR&HOSTEL「石と鉄」(色内2)を会場に、小樽商科大学グローカルプロジェクト「日本遺産による小樽の歴史文化の広域観光資源化」主催のパネルディスカッションが行われ、市民ら約50名が集った。

 「色内大通りの魅力と可能性~歴史的建造物を活かすまちづくり」と題してた基調講演には、北海道職業能力開発大学校特別顧問・駒木定正氏が講師として、同大通りの事業主らによる小樽商科大学グローカル戦略推進センター・高野宏康学術研究員が司会進行役を務めた。

 第一部講演では、建築史家でもある駒木特別顧問が、大正初期と現在の色内大通りの建築について、1914(大正3)の棟方虎夫「小樽」を基本資料として、大正時代の建物はどんなものがあったか、建物が観光客や市民とどう関わるか、工夫が足りない現状を他都市と比較して解説し、「小樽の街をどうするか、日本遺産をきかっけに、住みやすい町にすることが目的で、色内にはまだ可能性がある」と述べた。

 会場となった建物は、築98年を経過する小樽軟石の石蔵で、内部に木造の骨組を持つ木骨石造が多い中、木枠のない梁のみの本石造タイプで、石の厚みが30cmもあり保温効果がある。

 第二部パネルディスカッションでは、株式会社渋谷建設・澁谷憲三代表取締役、小樽和菓子工房游菓・青木雄二代表、同HOSTEL・中源博幸店長、色内大通りカレンダーを制作した同大学写真部、北前カナルプロジェクト・落合亮代表が参加し、今後の活性化について語り合った。

 澁谷氏は「古い建物が残り、活用方法に魅力」とし、青木氏は「観光客の写真スポットに」、中源氏は「色内通りの石造りの建物は、18歳でスペインのバルセロナで感動したヨーロッパの石倉に近いものを感じた」、落合氏は「旧日本郵船や旧三井銀行など、歴史的にも多彩なセンスがこの通りには詰まり、色内という名前にも北海道らしい魅力を感じている」と述べた。

 その後、課題や活性化について意見を出し合い、駒木氏は「何よりも、住んで楽しい町を目指すことで、もっと元気が出てくる。マンションができることで、景観の話とは逆に、町に住む人が増え、町を好きになってもらいたい。

 重要文化財の旧日本郵船前の公園で遊んでいる子どもたちが、大人になって、凄い建物の前で遊んでいたことに気づく素晴らしい町。若い世代に小樽の町が引き継がれていく、そんな町になってほしい」と強く求めた。

 小樽堺町通り商店街振興組合・簑谷和臣事務局長は、「話の中で、堺町通りと色内大通りとの比較があり、小樽では歴史的建造物が魅力のひとつではあるが、他方では小さい子どもや修学旅行生等はキャラクターグッズを好む。店主に看板について派手ではと聞くと、それぞれのターゲットに向けた店のやり方だと答える。

 空き店舗ゼロで、空く前から待機している人もいて、商店街では成功している。町並みに合わないと規制をかけると、困る店が出るのが現状。これから観光になるであろう色内大通りに、困る店が出る前に規制をかけて、市全体で観光を考えてもらいたい」と述べた。

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