小樽市民の台所閉店 妙見市場最終日

 小樽市民の台所として愛され続けた妙見市場(花園2)が、建物の老朽化等のため、3月31日(火)をもって閉店した。

 同市場は、1946(昭和21)年から始まったとされ、現在の建物は、1964(昭和39)年10月、市が於古発(おこばち)川(旧妙見川)に、3棟でオープンさせた。

 2001(平成13)年には店舗をC棟に集め、2012(平成24)年にA棟とB棟を壊した。全盛期100店あった店も、今では5店となり、3月18日(水)~19日(木)には最後の大売り出し、21日(土)に最後のシビックマーケットを開いたが、常連客からは閉店を惜しむ声が聞こえた。

 伊藤惣菜店は、28年間夫婦で切り盛りして、うま煮やかぼちゃの煮つけ、天ぷらやザンギなど、お袋の味が人気。今後は閉店を決めた。

 入店して3年4ヶ月のみみずく舎CSA SHOPのミリケン恵子さんは営業が終わり、「常連さんばかりで、お客さんの顔を見て惜しくなった。この場所で、また会えたらと思った」と心残りの様子。

 同店は、市場近くで市役所通りにあるローソンの隣に移転し、4月20日(月)のオープンを決めた。

 開店10ヶ月目のJammed with Possibility代表・吉田真樹さんは、「初めて構えた店。地元の人というよりも各店のファンが通って来てくれていた」と話し、5月上旬に中央市場第1棟に移転する。

 ニセコ在住の男性は、「小学生の頃、市場の近くに住んでいて、母親と良く買物に来ていた。最後と聞き来てみた」と懐かしんでいた。

 営業中の店舗はほぼ完売となり、閉店を決めた高松商店を含む4店舗が集まり、記念撮影をして、市場最後の日を笑顔で締めくくった。

 小樽市産業港湾部商業労政課によると、同建物は、来年1月~3月にかけて解体し、川への転落防止柵や護岸補修工事を行い、原状回復させる予定。

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