「小樽写真散歩」by akemi iwata《なえぼ公園の春便り》

 北海道も含む全国に緊急事態宣言が拡大し、小樽市内の小中学校の休校や公共施設の閉館を2日後に控えた4月18日(土)、長橋なえぼ公園(幸1)では、いつもより多くの家族連れが訪れ、春の日差しに合わせ、キクザキイチゲやエゾエンゴサクなどのスプリングエフェメラル(春植物)の花々を楽しんでいた。

 桜の名所としても知られている同公園では、1年を通じて散策に訪れる人も多く、春を待ちわびた市民らは、雪解けとともに咲き始める座禅草や水芭蕉を眺め、春の到来を喜んだ。

 同公園内に併設している「森の自然館」も、冬期間の休館を終え11日(土)から開館したが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、20日(月)~5月6日(水)まで休館となった。公園内は開放されている。

 同館に2018(平成30)年4月から着任した山本謙也指導員は、樹木や草花に詳しく、園内を散策する中で、カタクリの群生地を発見。18日(土)、咲き始めたカタクリの群生地を案内してくれた。

 水芭蕉の湿地から右方向へ進み、自然探勝路入口を更に進むと、第1カタクリの群生地に到着。約100mに渡る範囲にカタクリが見られる。現在は、道路の山側に多いがまばらで、2、3年後には、谷側にも増えるとのこと。

 更に先へ進むと、第2カタクリ群生地が。ここでは50m四方にカタクリが咲いている。14日にカタクリの蕾を発見し、現在、2ヶ所とも葉っぱだけのものや3分咲きで蕾も多い。カタクリは、花をつけるまで8年ほどかかるらしく、今後、年々カタクリの数が増えるのではと期待を寄せている。

 山本指導員は、「同園は約400種類の植物があるが、1年間通うと、そのうち約200種類を見ることができる。4月から10月頃まで2週間に1度訪れると、同公園に咲く一通りの花が見られるのでは」と話していた。

 ◎小樽長橋なえぼ公園(外部)

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