小樽商大学 52回目の緑丘戦没者慰霊祭

 

 

 終戦75 年目を迎えた2020(令和2)年8月15日(火)、コロナ禍の中、小樽商科大学(緑3・穴沢眞学長)は、11:59から参列者を縮小して、緑丘戦没者慰霊祭をしめやかに執り行った。

 

 同大構内の研究棟前の緑丘戦没者記念塔に、穴沢学長、緑丘会・山田二郎札幌支部長、緑丘会役員、遺族、学生代表、同学役員ら約40名が集まり、正午を知らせるサイレンの音とともに黙祷を捧げ、戦火に散った戦没者347名に追悼の意を表した。

 

 白樺林にひっそりと建つ記念塔は、同大学の名誉教授であった松尾正路氏の呼びかけで、1969(昭和44)年8月15日に完成。戦火に散った347名の氏名が刻まれた墓石と、「戦の野に果つるとも 若き命 この丘にとヾまりて消ゆることなし 友よ 安らかに眠れ」と書かれた碑石が納められている。

 

 大学構内にある記念塔は珍しく、建立以後、毎年終戦記念日に途絶えることなく慰霊祭が行われ、令和2年の今年で52回目となった。

 

 穴沢学長は、碑石に刻まれた詩を読み、「遺族・同窓生・学校職員・学生の皆さんとともに、戦争の悲惨さと平和の尊さに思いを馳せ、個人を追悼したい」と挨拶。

 

 山田支部長は、「52回目の戦没者慰霊祭、私たちは、今日の平和は多くの諸先輩の命の犠牲の上に成り立っていることを忘れてはならない。しかしながら、世界の情勢は、様々な形で戦争がいつ起きるか、不安になる毎日が続いているといっても過言ではない。戦争の残忍さ・悲惨さと平和への願いを、様々な思想やイデオロギーを乗り越えて、後世に伝えていくことが今を生きている私たちの使命である」と述べた。

 

 その後、遺族を先頭に、緑丘会役員・学生代表・大学関係者が塔内へ入り、白菊を献花し、祈りを捧げた。

 

 いつもなら清らかな声を響かせるグリーン&カンターレは、感染症拡大防止のため欠席。録音テープに合わせ、参列者全員で校歌を口ずさみ故人を偲んだ。

 

 同大名誉校友の佐藤幸子さんは、「3年前から毎年来ている。戦争は腹が立つ思い」と話した。

 

 ◎小樽商科大学(外部)

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