小樽で震度6強を想定 総合防災訓練

 

 

 小樽市(迫俊哉市長)は、8月28日(金)13:00~15:30、30.6℃の真夏日を記録する厳しい暑さの中、勝納埠頭2番(築港6)を会場に、震度6強を想定した総合防災訓練を開催した。

 

 北海道開発局小樽開発建設部・小樽海上保安部・陸上自衛隊第11特科隊など16機関198名と車両33台・船舶10隻・ヘリコプター1機が参加し、10項目で訓練を実施。

 

 28日(金)13:10頃、留萌沖を震源とする推定マグニチュード7.8の地震が発生し、小樽では震度6強を発表、津波到達予定時刻は13:33と想定。

 

 陸上では急斜面の崩壊、海上では津波の影響で船舶から重油が流出、火災も発生している模様で、ライフラインにも重大な被害が発生し、災害対策本部を設置したと訓練が始まった。

 

 第一管区海上保安本部函館航空基地のヘリコプター「熊鷹」が、海上保安部巡視船えさんの要救助者を上空から救助。海上漂流者2名は、海上保安部のボートで救出され、小樽消防本部ははしご自動車のバケットを伸ばし救助に参加した。

 

 水道局と市管工事業協同組合は、断水したとの想定で、応急タンクの設置と汚水拡散防止訓練を行った。

 

 北海道電力ネットワーク株式会社小樽支店は、停電した施設の故障設備を確認し、高所作業車を停電施設に見立てて、低圧発電機車を使って停電回復作業を行った。

 

 港湾流出油防除訓練は、同保安部・小樽警察署・市産業港湾部・石狩、後志管内沿岸排出油等防除協議会が参加。津波の影響で接岸中の船舶から重油流出事故が発生したとの想定で、オリルフェンスを海面に浮かせ、流出油の拡散を防止し、吸着マットによる回収作業、タグボートによる放水で攪拌処理作業を行った。

 

 ガス漏洩事故応急訓練では、北海道ガス株式会社小樽支店が、ガス探知機による漏洩箇所を特定し破損供給管応急復旧。消防本部は、2次災害警戒及び広報訓練を行った。

 

 同11特科隊・同建設部小樽道路事業所・北海道後志総合振興局小樽建設管理部・小樽建設協会・おたる災害賭けつけ隊・小樽建設事業協会などによる、土砂災害関係連携合同訓練も行い、道路をふさいだ土砂や倒木を撤去し、負傷者を救助。

 

 同保安部と消防本部と消防団は、船舶火災による救助・消火訓練で、一斉放水を行い、2時間半に渡る訓練を締めくくった。

 

 

 小樽市防災会議・迫会長(市長)は、「様々な被害が実際に起こったと想定して訓練し、防災訓練機関の皆さんが協力し合い、迅速かつ的確な行動している姿を参観して、災害対応力に大変心強さを感じた。

 

 本市においても、2018(平成30)年の北海道胆振東部地震による、大規模停電の教訓を踏まえた対応をより一層強化するとともに、通常業務時はもとより、災害時の避難所の開設・運営においても、各種感染症拡大防止にさらに注意を払う必要が生じ、複合的な大規模災害も起こりうると想定した危機管理体制の強化が、ますます重要になってきた。

 

 本日の訓練の成果を踏まえ、安全安心を確保するため様々な災害に備え、日頃から相互の連携を密にすることで、初動体制や連絡体制など、災害対応力のさらなる強化に努めてもらいたい」と総監講評を述べた。

 

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