小樽の小学校へ出前授業 第一ゴム(株)

 小樽立望洋台小学校(望洋台1・古田優子校長)では、毎年、3年生が社会科で勉強する「工場で働く人たち」に合わせ、見学に出かけている第一ゴム株式会社(奥沢3)から、今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で、同社宮谷尚宏さんによる出前授業が、9月15日(火)3時間目(10:45~11:30)を活用して行われた。

 

 密を避けるために、同校体育館で、3年生54名がゴムの歴史や長靴の制作工程について話を聞いた。

 

 1935(昭和10)年奥沢町に設立され2020(令和2)年で創業85年となる同社は、1946(昭和21)年にゴム履物製造を開始。現在、従業員80名で、消防隊用長靴から女性・男性用長靴まで100品種、年間10~12万足を製造している。

 

 ゴムの歴史は古く、コロンブスが、1493(明応2)年にゴムをみつけたのが始まり。日本では、1886(明治19)年に北海道で初めてゴムの加硫に成功。1920(大正9)年にミツウマの前身・北海道護謨工業合資会社がゴム長靴の生産を開始し、同社も含め、1938(昭和13)年には市内で14ゴム工場が操業。1955(昭和30)年には、北海道で640万足のゴム靴が生産され、そのうち320万足が小樽で製造されていた歴史、長靴の材料やパーツ裁断や組立などの製造工程を経て、1足完成までに1週間を要するなどが説明された。

 

 天然ゴムのかたまりや靴の底・金型、作業に使う道具に触れ、鉄板入りの足底と側面に防弾チョッキ用の繊維を使用した消防隊用の特殊な長靴を児童が履いてみせ、それぞれが体験。

 

 質疑応答では、「匂いは?、作業は難しいか?、何日で完成できるか?、コロナの影響はあるか?」などの質問が飛び交い、興味の深さが伺えた。

 

 石垣美羽ちゃんは、「詳しい説明で分かりやすかった。小樽で長靴を作る工場があることを知っていたが、すごいと思う。工場に行って話を聞きたかった」と話した。

 

 ◎小樽市立望洋台小学校HP(外部)

 ◎第一ゴム株式会社HP(外部)