地域の昔を知る総合的学習 小樽市立奥沢小

 小樽市立奥沢小学校(奥沢3・銭谷美毅校長)の4年生・43名が、11月20日(金)5・6時間目に総合的学習の時間を活用し、地域在住の馬場孝治氏を講師に招き、学校所蔵の写真や同氏の資料を基に、昭和30年前後の学校周辺の奥沢地域について学んだ。

 

 同氏は、1947(昭和22)年1月生まれ、1959(昭和34)年の卒業で、同校側に自宅があり、現在、同校校友会会長、コミュニティスクール学校運営協議会会長、奥沢本町会長や小樽地区保護司会長も務め、地域に精通している。

 

 2009(平成21)年の開校110周年時と昨年も講師を務め、学校所蔵写真や同氏が通っていた頃の写真を見せながら、校舎の位置や1組50名で5組もあった入学式、栄養満点で楽しい時間だった給食について語った。教室で石炭ストーブを囲んだ写真を見せ、当時の暖房の違いも印象付けた。

 

 勝納川近くに工場が発展し、米と水を使い酒造会社もでき、菓子・パン・餅屋・醤油・ゴム・紙などの工場が並び、牛を飼っていた牧場もあり、活気に溢れた時代を説明。今とは違う様子に、児童は驚きの声を上げ、メモを取っていた。

 

 運動会では、1,400名の児童と1,000名を越える保護者が集まる大行事で、ごちそうはバナナだった。学芸会も1日がかりの行事で、うどんやいなりずしなどを販売するバザーがあった。夏の海水浴はバスで塩谷海岸へ出かけ、冬はスキーを担いで天狗山へ、スキーを滑りながら自宅まで帰ったと、昔を振り返る。

 

 卒業生の中にはスキー選手が誕生していると語り、「今日話したことを、1つでも2つでも頭に入れて、家に帰って家族に更に聞いてもらいたい。後輩のために、素晴らしい奥沢を作ってもらいたい」と、奥沢の未来を託した。

 

 男子児童の1人は、「総合の勉強で、上手くメモを取ることができるか不安だったが、学校の生徒の人数や行事など、昔の様子が分かった。家に帰って家族にも話してあげたいと思った」と感想を述べた。

 

 同校は、奥沢尋常小学校として1899(明治32)年10月20日に開校し、121年の歴史と伝統がある。

 

 ◎小樽市立奥沢小学校(外部)