授業“教えて先輩!” 小樽市立望洋中学校

 12月21日(月)と22日(火)の2日間、小樽市立望洋台中学校(望洋台3・伊藤仁弥校長)では、キャリア教育の一環として1年生が3年生に質問をし、3年生がそれに答える「教えて先輩!」の授業が行われた。(写真提供:望洋中学校)

 

 2~4人のグループでローテーションをしながら、1年生があらかじめ用意した学校生活や進路に関わる悩みや相談事を、各教室に分かれた3年生の小グループで答えていくというもの。

 

 1年生からは学校生活全般に関して多岐にわたる質問が出され、3年生は、先輩としての自分の体験を生かしながら、誠実に答える様子がうかがわれた。

 

 ノートはどのようにまとめているかという質問に、「先生が黒板に書いたことはもちろん、テストに出そうとか、自分なりに大事だなって思ったことは、ペンの色を変えてメモする」など、具体的なアドバイスがあった。

 

 また、部活動に関する質問には、「部活動では、スポーツの技術ももちろんだが、それだけではなく礼儀や社会のマナーも学んだ」との経験談や、クラスの中での仲間づくりでは、「クラスが険悪な雰囲気にならないように日常的に気をつけている」や、「行事をみんなで乗り越えれば男女仲良くなる」との秘訣も披露された。

 

 将来の夢や職業、目標について具体的に堂々と話す3年生の様子に、まだ将来に実感が湧かない1年生にとって、大きな刺激になっていた。

 

 後悔していることを聞かれると、もっと勉強しておけば良かった、もうちょっと頑張れていたなど、学習面でのことをあげ、現在コロナ禍の状況で、もっと一日一日を大切にすれば良かったと話す生徒もいた。

 

 学習を終え、1年男子は「3年生の体験談を聞くことはとてもためになった。自分の今の生活をより良くできそうな気がした」と感想を語った。

 

 また、3年女子は、「テスト勉強の話など、話すことで自分の考えが明確になった面もあった。また、他の3年生が答えているのを聞いて『なるほど』と思うこともあった」とした上で、「今年はコロナの影響で行事も少なく、下級生と触れ合う機会もなかなかなかったので、こういう機会があって良かったと思う」と語った。

 

 中心となって取り組んだ櫛引丈志教諭は、「例年のように外部からゲストを招いての講演などが難しい中、このような取り組みで、1年生にとって、先輩の話を聞くことが大きな学びの機会になるのはもちろん、3年生にとっても後輩に話すことで得るものはあったと思う」と成功を感じていた。

 

 3年生が良き先輩として後輩を導く正しい伝統が、同校では継承され続けている。

 

 ◎小樽市立望洋台中学校HP(外部)

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