令和3年小樽の幕開け 除夜の鐘と初詣も分散

 

 

 小樽市内の寺院から、2021(令和3)年の幕開けを告げる除夜の鐘の音が響き渡った。

 

 新型コロナウイルス感染症の拡大が収まらない市内では、除夜の鐘を中止にする寺院もあり、静かな新年を迎えた。市内では年末に入ってクラスターが発生し、依然、油断できない日々が続いている。

 

 石山町の急な坂の途中にある浄応寺(石山5・島隆住職)では、コロナ禍でも0:00に合わせて除夜の鐘を決行。地域住民が鐘をつこうと徐々に集まった。

 

 同寺では、マスクと手袋着用、距離をとって並び、甘酒配布を中止とするなど、感染対策に配慮。同寺関係者が最初に鐘をつき、新年の挨拶を交わし、集まった市民らが後を繋ぎ、鐘の音に今年の願いをしたためた。目立った混雑もなく静かに新年を迎えた。

 

 小学3年生で友だち同士の波琉君と魁秀君は、家族に連れられ鐘つきを体験。母親は、「コロナが収束して、幸せに暮らせるようにと思いを込めました」と話していた。

 

 気温−9℃の厳しい寒さの中、龍宮神社(稲穂3・本間公祐宮司)では、氏子会と同社中小樽龍祭会が、11:30から120個のスノーキャンドルを境内に飾り、初詣客を出迎えた。

 

 分散して参拝するよう呼びかけたためか、列を作ることもなく、例年よりも人出が少ない初詣の光景となった。

 

 大晦日や元日はコロナ感染対策を講じ、甘酒と神酒の配布を中止に。0:00から龍神天昇祭を行い、毎年恒例の干支根付入りおみくじを多めに130個用意。密を避けるために、本間宮司が丑年の人に直接配布した。

 

 0:15から宮司舞のみで松前神楽奉納を行い、新年の安全と小樽繁栄・無病息災・疫病退散などを願った。獅子舞は中止し、獅子頭を持って境内を廻り、人々の頭を噛みながら健康を祈り、8:00から歳旦祭を執り行う。

 

 同会・井上利廣会長は、「全国的なことではあるが、昨年はコロナ禍で神輿が出来なかった。このままでは神輿の文化が廃れてしまう。今年は、状況に応じて縮小したとしても、神輿を行いたい」と強く願った。

 

 ◎関連記事