小樽市立北陵中で防災教育 海上自衛隊

 小樽市立北陵中学校(清水町5・宮澤知校長)2年生75名は、海上自衛隊余市防備隊4名による防災教育と防災派遣について、1月29日(金)5・6時間目にリモート授業を受けた。

 

 当所10月の実施が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により1月末にずれ込み、さらにエアテント転張訓練やAED体験を中止し、リモートによる講話に変更された。

 

 講師は、余市町港町の余市警備所を基地とする同防備隊1等海佐の大森浩昭司令が務め、同校放送室から配信した。

 

 札幌市が震源となる活断層があり、近郊の小樽もあてはまることから、10年前に発生した東日本大震災よりも、阪神淡路大震災に類似した地震発生を予測し、津波よりも建物や物に押しつぶされ閉じ込められる事例や、地震・津波災害、風水害・土砂災害、防災情報などの防災教育と、自衛隊の防災派遣について語った。

 

 北海道の大規模災害として記憶に新しい、2018(平成30)年に発生した胆振東部地震に係る災害派遣の活動状況については、9月6日から約1ヶ月、厚真・安平・むかわで、人命救助46名・道路啓開約7.9km・給水支援約1,190t・入浴支援24,091名・給食支援166,963食等の活動を行った。寸断されたライフラインの確保が重要で、札幌市清田区の状況も写真で紹介。

 

 大震災における犠牲者の死因割合で比較すると、1996(平成8)年に発生した阪神淡路大震災は、建物の倒壊による死亡が8割、東日本大震災では津波による溺死が多く、関東大震災は火災による死亡が多いなど、地震の特性を見極め、教訓を導くことが重要だと強調した。

 

 阪神淡路大震災による建造物の損壊と負傷に関する実態調査によると、負傷の原因の7割は、ガラスの破片と家具や電化製品の下敷きによるものだったことが分かり、家具の固定やガラスの飛散防止等を事前に行うことで、大半の負傷者を未然に防ぐことができると説明。

 

 そのためにも、転倒や落下してもけがをしないよう家具の配置を考え、家具やテレビ等を固定し転倒や落下を防止するなど、事前対策の重要性を伝えた。
 
 
 講話を聞いた男子生徒は、「一番怖いのは火災。耐震対策を実践したい」と話し、別の男子生徒は、「津波などの2次災害が怖い。家具の固定をしようと思う」と話した。

 

 ◎海上自衛隊余市防備隊(外部)

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