未来創造定時制平野さん 第2種電気工事士合格

 北海道小樽未来創造高等学校(最上1)定時制電気・建築科電気コース4年の平野時彦さん(69)は、電気を勉強してきた証にと、初挑戦で国家試験の第2種電気工事士試験に見事合格した。

 

 第2種電気工事士は、住宅の配線など電気工事の作業に従事することができる国家資格で、前身の小樽工業高等学校の2008(平成20)年以来、69歳での合格者は最高齢で、学校関係者も喜んでいる。

 

 兵庫県出身の平野さんは、電気科のある高校に進学したかったが断念し、水産高校へ進学。航海士として20年、小型船舶の試験員を20年、現在は、自衛隊のチャーター船で2等航海士として勤務し、船内の電気部分メンテナンスの責任者も務める。

 

 65歳の時、友人から社会人の定時制があると聞き、これまで様々な資格を取得し、最後にやり残しがないように、子どもの頃から興味のあった電気を基礎から学ぼうと、2017(平成29)年に同校の社会人枠で入学し2年に編入。

 

 2018(平成30)年は仕事で休学、その後復学し、卒業までに学んだ証しとして同工事士の資格取得を試みた。

 

 3月初めから勉強をスタートしたが、コロナ禍で6月の試験が中止、それなら10月に受けようと、わずかな時間も惜しまず勉強した。

 

 高校以上の学校において電気工事士法で定める課程を修めて卒業した人には、同試験の筆記試験が免除となるため、平野さんも卒業後の受験では筆記試験が免除となるが、あえて在学中に資格取得に挑戦。

 

 10月の筆記試験に合格し、12月の技能試験へコマを進めた。配線図に沿って配線作業を行う実技問題で、事前に13問が公表され、当日、この中から1問出題されるため、制限時間の40分内に仕上げられるようこつこつと練習した。その甲斐あって、合格率約6割の難問を突破。

 

 合格の手応えを感じていた平野さんだったが、発表までは心配だったという。卒業後は、「放送大学で、宇宙や気象など自然科学について学びたいと思う」と、すでに次の目標を見つけていた。

 

 担任の松﨑雅芳教諭は、「努力したと思う。社会人で年齢からも資格を取ることは、周囲の学生にも良い影響を及ぼしている」と話した。

 

 現在、同校定時制の生徒は、4年卒業生9名と社会人枠の3年卒業生7名が在学している。学校見学も随時実施し、社会人学生の入学を募集している。問合せ:0134-23-6105 小樽未来創造高校定時制

 

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