(株)ニトリ 小樽オタモイ開発に5千万円寄付

 株式会社ニトリ(本社札幌)は、オタモイ開発に関する調査費用として、小樽商工会議所(山本秀明会頭)に5千万円の寄付を申し出た。(写真提供:小樽市広報広聴課)

 

 2月26日(金)13:30から、市役所(花園2)2階市長応接室で贈呈式を行い、株式会社ニトリホールティングス似鳥昭雄会長兼CEOをはじめ、迫市長・山本会頭らが出席。

 

 家具やインテリアを販売する同社では、小樽の歴史的建造物を美術館として活用し、小樽芸術村の運営や銀鱗荘の事業を展開。公共施設のトイレ改修費など小樽市の観光活性化のために1億円を寄付。

 

 さらに、2020(令和2)年9月には、同ホールティングスと同文化財団は市と連携協定を締結。文化芸術・観光・スポーツ・産業の振興、災害時の対応など幅広い分野の協力強化を図っている。

 

 同会議所は、昨年5月からオタモイ海岸とその周辺に関する勉強会を設け、観光資源として開発が可能かどうか検討してきた。先般、オタモイ海岸を中心拠点に歴史や自然環境を堪能できるリゾートの開発に向け、大枠での開発コンセプトやイメージを整理したところだった。

 

 似鳥会長は、「北海道は自然に人気があるが、観光施設が少ないと思う。オタモイについては、20代の時に初めて訪れ、ハラハラドキドキするような絶景が北海道にもあったんだと、とても感動した。知り合いが来ると必ず連れていくスポットだったが、閉鎖したのを残念に感じていた。

 

 オタモイに観光施設があったら、小樽観光は1日では足りなくなり、みんな1泊するだろう。今後小樽・札幌に投資していきたいと考える」と、開発への思いを語った。

 

 迫市長は、「オタモイを改めて開発するのは、行政だけでは大きな話。開発が実現すると、新たな観光資源の創出になるが、課題も山積している。商工会議所としっかり連携しながら調査したい」と話した。

 

 山本会頭は、「役員任期が来年10月までなのだが、委員会に入ってもらった似鳥靖季さんとも連携して、小樽の観光産業に寄与できるように頑張り、一定の成果にしたい。まずは安全性を確保し、資質調査等を4月以降に始めたい」と、開発へ強い意思を示した。

 

 オタモイ遊園地は、小樽で料亭を経営していた加藤秋太郎氏によって、1933(昭和8)年に着工、1935(昭和10)年に完成。広大な敷地内には、食堂・料亭・演芸場・海水浴場などがあり、1日数千人が訪れたと言われ、一大リゾート地として賑わっていた。

 

 その後、戦争などの影響により行楽を自粛し来園者が減り、5月から11月の営業で冬期間休業し、地すべりや火事による倒壊・老朽化で取り壊しになり閉園となった。切り立った崖に建てた龍宮閣の跡地は、断崖絶壁や海を眺める絶好の展望台となったが、現在は、落石の危険で通行止めとなり、当時の姿を遠くから眺めるだけとなっている。

 

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