小樽港第3号ふ頭の魅力づくり 観光プロジェクト

 小樽商工会議所みなと観光プロジェクト(嶌村公宏リーダー)は、3月26日(金)18:00から、小樽観光物産プラザ(色内2)三番庫ギャラリーで、シンポジウム2021第3号ふ頭の魅力づくり「躍動する港で起こること」を開催した。

 

 同プロジェクトは、2011(平成23)年から「港を巷に」をテーマに、第3号ふ頭と基部周辺を中心とした、市民のための水際の魅力づくりについて検討と提案を行い、市民に港に目を向けてもらうための取り組みを進めてきた。

 

 市と小樽観光協会と同所でつくる、第3号ふ頭を核として魅力づくり連絡会議を、2019(令和元)年にスタート。市は、この会合の意見を第3号ふ頭周辺配置計画案にまとめ、2024(令和6)~2025(令和7)年度の完成を目指し、交流空間として賑わいの創出を図る計画を発表した。

 

 現在、第3号ふ頭は、10万トン級のクルーズ客船が接岸できる岸壁の整備工事が進められ、当プロジェクトでは、第3号ふ頭基部の施設整備や賑わいづくりについて開発プランの検討を進め、みなと観光づくりについての意見交換を行っている。

 

 冒頭、同プロジェクトアドバイザーの西條文雪氏が、「港は小樽最大の魅力。憩える・集う・賑わいの場所にしようとプロジェクトを進めてきた。小樽の顔となる場所、すばらしい場所になるよう検討していきたい」と挨拶。

 

 シンポジウムでは、同プロジェクトメンバーでクリエイティブディレクターの福島慶介氏(福島工務店代表取締役、N合同会社代表社員)と、建築家の山雄和真氏(waiwai合同会社代表社員)、オンライン参加のまちづくりプロデュサーの岡部友彦氏(コトラボ合同会社代表社員)ら専門家が、「活動の軌跡と展望」「建物の果たす役割」「持続可能な賑いを目指して」をテーマに講演を行った後、小樽商科大学商学部情報学科・大津晶教授が司会を務めて意見交換会を行い、これからの魅力的な場所としての港の可能性などを探った。

 

 福島氏は、「これからの10年、やるべきことは、継続的な賑わいづくり。恵まれているが故に足りないデザインやホスピタリティを探し出し、市民みんなが、外から来た人に“ようこそ”と言えるよう自覚する。これだけの環境の中で素晴らしい建物の開発が進められているのであれば、今後、ブランディングが非常に重要となる」と述べた。

 

 山雄氏は、建築の構想と果たすべき役割について、建築家の観点から「他の町にある空間よりも魅力的なもの、他のところよりも良いものを作る事が、建築家に求められる要素で、デザインの力は大きく妥協しないことも大事」と述べ、新たな港のランドマーク、人が主役の風景になる建物の構想を紹介。

 

 岡部氏は、「場所によって地域の課題が違い、人が重要な要素となる。どんな地域が面白くなっていくかについては、環境が良く、面白い人がいる、面白いことをやっている両方が揃っているところ。

 

 次世代を見据えた若いプレイヤー作りも大事で、まちづくりには、資金も重要で、地域の資源を活用して財源にする」と語った。

 

 意見交換会では、3氏がいろいろな角度からアドバイスが語られ、司会の大津氏は、「小樽でしかない出来事、小樽でしかない景色、小樽でしか感じられない空間を作ることがブランディング。地域の事例から学びながら、さらにこのプロジェクトに関心を寄せてもらいたい」と締めくくった。

 

 ◎みなと観光プロジェクト(外部)

 ◎みなと観光プロジェクト2021シンポジウム(YouTube)

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