第76回招魂祭 新たに9名を合祀

 八重桜が見頃を迎えた小樽公園(花園5)顕誠塔前広場で、5月15日(土)11:00から、第76回招魂祭がしめやかに挙行され、出席者全員で玉串奉奠を行い、故人の遺徳を偲んだ。

 

 新型コロナウイルス感染症拡大により緊急事態宣言が出され、市内のイベントが中止を余儀なくされる中、合祀者遺族をはじめ、小樽顕誠会・野坂和弘会長、同顧問・迫俊哉市長をはじめとする役員20名と、小樽総鎮守住吉神社・星野昭雄宮司ら神職4名により執り行われた。

 

 昨年同様、同神社伶人会による雅楽演奏や恒例となる日本詩吟学院岳風会小樽支部岳船会による奉納吟を取り止め、小樽で一番早い祭りが決行された。

 

 同公園に聳え立つ顕誠塔は、1923(大正12)年に建立され、御影石で作られた道内有数の慰霊塔のひとつで、戦死者や小樽に貢献した人を慰霊し、1945(昭和20)年からは、郷土小樽市に貢献のあった人を合祀することとし、2016(平成28)年からは、参列者遺族の高齢化と運営担当者の負担を軽減し、末永く祭典を継続するため、本祭1日に縮小した。

 

 2021(令和3)年度は、医師や保護司・民生委員など、それぞれの分野で尽力し功績を収めた9名が新たに合祀され、既合祀者3,484名と郷土功労者1,2031を合わせ4,715名を慰霊。

 

 迫市長は、「少子高齢化や人口減少が進む中にあり、今から歩むべき道も険しく困難なものであるが、私どもは決意を新たにして、築かれた偉大な歴史を伝統を踏まえ、郷土小樽の輝かしい伝統を築くため、知恵を出し合い、努力を重ねる所存である」と述べた。

 

 野坂会長は、「若者たちの声が聞えほっとした思いで、例年のように八重桜も咲き誇り、何もないように感じとれるが、ウイルスによりそれぞれの立場で苦労していると思う。1日も早く収まることを願う。

 

 遺族も高齢となり、将来的にはこの場所での開催で良いのかと考えるが、この場所に来てみると、この場所で良いと感じた。すべての人が安心して今までと同じ生活に戻れる社会にしたい」と思いを述べた。

 

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