小樽の個性派アーティスト 2年ぶりTHEY展

 小樽在住の個性派アーティストが集結したTHEY展が、6月30日(水)~7月4日(日)に、市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリーで開かれている。

 

 6回目となる今回は、制作や指導にも力を入れている三宅悟代表の教え子など、繋がりのある10名が、自らが楽しみながら取り組むことを共通のキーワードに、2年間の集大成を発表。

 

 新たなメンバーとして、増山日向子さんと吉川祐子さんが加わり、さらに同展の来館者を楽しませている。

 

 増山さんにとっては初のグループ展で、子どもの頃、メンバーの絵本作家・かつやかほりさんが開く造形教室の生徒で、絵画だけではなく造る楽しさを教えてもらい、それが良い経験になっているという。

 

 搬入前日に、旧日本郵船のとって置きの場所を描いた作品がやっと完成し、今年2月の同館での個展で発表した作品など8点を発表。

 

 個展に来られなかった人やゆっくり観られなかった人に、もう一度観てもらいたいと、今回も展示している。作品のタイトルにQRコードがあるものは、作品風景を動画で見ることができる。

 

 増山さんは、「準備不足で悔しい思いもあるが、その悔しさを次のエネルギーにしたい。他の人の作品はとても刺激になる。今はジャンルを決めずに、幅広くやっていきたい」と話した。

 

 織物を発表する染織造形家の加藤祐子さんは、この道40年。同展には3回目の参加。窓をテーマに、今年4月に札幌で開いた個展での作品など6点を出展。

 

 沢山ある織り方の中から、ウール・モヘア・綿を素材に、とても柔らかく仕上げたレース織で、会場に布の窓がいくつもでき、観る人の想像力を掻き立てる。

 

 小川豊さんの作品からは、内面の世界を表現するこれまでとは違う「心のひだ」を発表している。

 

 菅原おりえさんは、優しいタッチで人物を描き、人柄が表れている。

 

 水彩色鉛筆や色鉛筆と画用紙、雨を素材に「雨の痕跡」の作品作りを続ける高橋一文さんは、「“自然と人を繋げること”をテーマに、雨の痕跡と人工的な円などをモチーフを、同時に画面に表現した。雨粒の無作為な水玉に注目して」とメッセージを掲載。雨の仕業がユニークで、作品づくりに活かされている。

 

 小樽後志の風景シリーズの余市川を描いた三宅代表の作品は、緑に覆われた川の畔に2頭のきつね。ほっとできる光景に、来館者は立ち止まり見入っていた。

 

 THEY展 6月30日(水)~7月4日(日)10:00~17:00(最終日16:00)

 市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリー 入場無料

 

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