峯山冨美没後10年企画展 遺したモノ、伝えたかったコト

 小樽運河を守る会2代目会長の峯山冨美さんが亡くなって10年の節目を迎え、同氏の功績を称え、遺したものや本当に伝えたかったことを掘り下げる「峯山冨美没後10年企画展」が、8月3日(火)〜22日(日)に、小樽市観光物産プラザ(色内2)三番庫ギャラリーで開かれる。

 

 小樽運河新世紀フォーラムが主催し、同実行委員会と小樽市の共催で、会場には、同氏と小樽運河保存運動・同保存運動って何?・同保存運動から生まれたまちづくり・他都市の街並み保存の事例など、企画展のために作成したパネル70点と、写真や出版物・絵はがきなど参考資料100点を展示し、スクリーンには保存運動の活動記録DVDを放映する。

 

 今から40年前、運河を埋め立てて6車線の道路を推進する行政と、運河を全面保存する市民との間で、全国的に注目を集めるほどの大きな対立があった。同氏も全面保存を願ったが、北運河を除く区間の半分が埋め立てられ、現在の姿となった。

 

 運河論争(1973〜1984)を知らない若者や市民などに、運河保存運動の本当の意味を、同氏が残した言葉や資料から紐解き、まちづくりのヒントとした。

 

 同氏が亡くなる直前まで親交があった中一夫実行委員長は、「10年も続く運河保存運動の中核であった同氏の人生を振り返り、この運動を通じて、まちづくりを考え直すよい機会に。小樽の人が盛り上がり、小樽の町を二分した大論争を後世の若い人に伝え、町を考えるきっかにしてもらいたい。

 

 全面保存を希望していた同氏は、埋め立てられた運河を見て、激しい敗北感があったことから“私は運河を守れなかった”とサブタイトルにしたが、半分埋め立てられたが実りを生み、これからのまちづくりに活かせると考えた」と話した。

 

 運河保存運動について34名の寄稿を乗せた冊子も1,500部発行し、オープニング企画として、3日(火)18:00から企画展会場で、歴史的まちづくり及び市民のまちづくり活動に関連した講演会を開く。

 

 講師は、街並み保存運動を追いかけた、国学院大学教授・東京大学名誉教諭の西村幸夫氏が務める。先着30名。事前申込みが必要で、氏名・TEL・メールアドレス等を記入し、TEL:0134-29-1103・FAX:0134-29-0594・メールで。

 

 また、同日17:40からは、西村氏が選定委員長を務める全国町並み保存連盟主催の峯山冨美授賞式を開催。5年前から、歴史的な集落や町並みで歴史を活かしたまちづくりに取り組んでいる人に贈られる。

 

 峯山冨美没後10年企画展〜小樽運河保存運動の母が遺したモノ、本当に伝えたかったコト〜
 8月3日(火)〜22日(日)11:00〜17:00 入場無料
 小樽市観光物産プラザ(色内2)三番庫ギャラリー

 

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