涼しさと癒し 黒川絵里奈切り絵展「金魚日和」

 涼しさと心和ませる黒川絵里奈さんの切り絵展「金魚日和」が、8月4日(水)から、小樽百貨UNGA↑(色内2)2階のunga plus galleryで始まった。

 

 母親が小樽出身で、小樽商科大学を卒業した札幌出身の黒川さんは、小樽との関わりが深く、舞台美術や人形制作の経験を経て、2012(平成24)年頃から切り絵を始めた。

 

 小樽を開催地に選んだのは、「ちょうど夏らしい作品で、この建物の雰囲気に合う」と思ったからだそうで、金魚をモチーフにした作品は、暑い夏にぴったりの涼を運ぶ作品だと、来場者に喜ばれている。

 

 会場には、額装した作品15点やハスの立体作品など20点ほどが並び、切り絵ならではの芸術性と、金魚とハスやスイレンの葉が醸し出す涼しさが、居心地の良い個展となっている。

 

 切り絵の作品を作るうちに、作風にも変化があり、チェコ共和国の首都プラハで個展があった時、和のモチーフが喜ばれるとハスを考えつき、その頃から和のモチーフに移り変わったという。

 

 モチーフになっている金魚は、黄色などの折り紙を切り抜いて模り、金魚の赤色はスタンプインクで染めたもの。

 

 金魚と月をモチーフした作品では、春の有明の月・夏の夜半の月・秋の天満の月・冬の初霜月と、四季を表現した。

 

 切り絵でハスを作った立体的な作品にも注目が集まり、訪れた人々は、繊細なアートに見入り、心癒される時間を過ごしていた。

 

 気に入った金魚やハスやスイレンの葉、あじさいの花びらをミニ額にできるコーナー(900円から)も人気となった。

 

 黒川さんは、「コロナ禍で、暗いことが多い1年だったが、作品を通じて心が明るくなれるようにと、様々な色を使うようになった。ぜひこの機会に見ていただきたい」と話した。

 

 黒川絵里奈切り絵展「金魚日和」
 8月4日(水)〜9日(月)11:00〜18:00
 unga plus gallery(色内2)