北海製罐小樽工場第3倉庫 活用ミーティング最終報告会

 1年間の猶予期間が10月末に迫る、北海製罐小樽工場第3倉庫の保全活用に向けた民間組織の第3倉庫活用ミーティング(駒木定正座長)は、9月27日(月)11:00から市役所(花園2)別館3階第1委員会室で、保全活用策等をまとめた報告書を小樽市長に提出した。

 

 同ミーティングは、今年1月に駒木座長をはじめメンバー12名と市企画政策室、北海製罐株式会社小樽工場長らアドバイザー5名が、小樽市商工会議所を事務局として立ち上げた。

 

 コア会議16回、ワーキンググループ会議12回を行い、130名近くが参加した同倉庫見学会、132名が参加したオープン勉強会、ライトアップや展示会などを実施し、市民へ同倉庫の存在をアピール。市民からは100件を超える提案が寄せられ、第3倉庫への関心の高さを窺わせた。

 

 第3号倉庫は、1922(大正11)年に建築され、鉄筋コンクリート造4階建て、全長100mにも及ぶ巨大な倉庫。各種保税空缶・缶詰類・一般貨物の保管を目的に、1924(大正13)年10月31日に完成。

 

 1920年代としては、エレベーターやスパイラルシュートの設備がある合理的な設計も特徴だった。北海製罐所蔵の柱の基礎部分の図面が発見され、より内部の構造についても知る手がかりとなった。

 

 駒木座長から報告書の概要が説明され、保全・活用の意義については、建築物としての価値だけではなく、小樽の歴史や文化・景観・まちづくりなど、様々な面から重要な価値を持つ建物であることを述べた。

 

 運河の歴史とともに歩んだ第3倉庫は、映画や小説の舞台や絵画のモチーフに使われ、小樽の歴史と風土に調和した都市景観を作り出し、第3回小樽市都市景観賞を受賞。

 

 最近では、日本遺産候補地域に認定された「北海道の心臓と呼ばれたまち・小樽」の構成文化財のひとつにも含まれ、市民の生活と歴史が融合する国の重要文化財が9つもある、歴史的遺産が集積している北運河エリアにある倉庫でもあり、市民の生活とより結びついていくことが期待され、将来まちづくりの拠点となる重要な建物と強調。

 

 今年4月20日~7月19日に実施した劣化調査の結果、外観ではひび割れ、漏水痕跡が各所で見られ、一部では鉄筋が露出し腐食しているものの、コンクリート及び鉄筋の健全性は担保されていると判断され、当面必要な補修、整備が求められるが、文化財指定登録に向け、文化庁から技術指導や財政支援などが受けられ、倉庫が建っている土地については、工業地域並びに港湾地域の区域内となり、改正するには時間を要するとした。

 

 「これまでの100年から これからの100年へ」をコンセプトとし、地域の良さを再発見できる持続可能なローカルツーリズムの拠点、豊かな人材を育む拠点機能を合わせた小樽の個性が息づくまちづくりを目指す。

 

 今年度10月〜2025(令和7)年度末に、倉庫活用に向けた運営組織作りに着手し、イベントや建物利用収入やクラウドファンディング等の活用を運転資金として検討し、建物の修繕を行い、同倉庫への関心を高める取り組みを行い、国の登録有形文化財への登録に向け市民意識の醸成を行う。

 

 2026(令和8)年度から本格な活用を開始し、市民がずっと住みたいまちとし、暮らす人も訪れる人も小樽の魅力や価値を共有できる場を創出。

 

 迫市長は、「しっかりと多くの皆さんに理解と協力をいただけるよう進めたい。市が責任を持って保有しながら、民間組織の活用の方向性を探りたい」と述べた。

 

 駒木座長は、「これまでいろいろな勉強会や見学会やミーティングを行う中で市民がどれだけ倉庫を愛しているかが伝わり、今後、小樽市に所有を依頼した。まちづくりにとって、将来大事な建物であると認識し判断した市にこれからもバックアップしていきたい」と述べた。

 

 これらの提言をもとに庁内で検討し、10月下旬までには、所有者の北海製罐に、土地建物の無償譲渡を求める。

 

 また、延期となっていたシンポジウムを、10月17日(日)に小樽経済センター7階ホールで開催し、同ミーティングを解散する。

 

 ◎北海製罐(株)小樽工場第3倉庫の保全・活用に向けて(PDF)

 ◎関連記事