おたる水族館の冬支度 アザラシのお引越し

 

 

 おたる水族館(祝津3・伊勢伸哉館長)は、10月に入り恒例の冬支度のアザラシの引越しを、7日(木)8:00から実施した。

 

 海獣公園の海を仕切った天然の夏期飼育プールは、冬期間の時化になると、海水がプールまで押し寄せる高波が発生し、アザラシが波にさらわれる危険性があるため、安全な場所である冬期飼育プールに移動している。

 

 今回は、目が不自由だったり高齢のアザラシがいるケアプールと隣の大人プールのゴマフアザラシ20頭・ゼニガタアザラシ9頭が移動の対象となった。

 

 早朝から応援職員も加わり担当職員総出で、引越し作業に取り掛かった。ケアプールの中は深いところもあり、胸まで浸かりながらロープや柵などを持って作業し、アザラシを移動するための檻までおびき寄せた。

 

 何度も経験しているアザラシは、職員の手を借りることなくすんなりと檻に入り、初経験の若いアザラシ2頭は逃げまわり、冷たいプールに入っている職員を手こずらせていた。

 

 何度も経験していはいるものの、高齢のアザラシ1頭も最後まで檻に入らないと自己主張し、1時間半以上も職員とアザラシのバトルが続いた。ようやく檻に入った時には、居合わせた来館者から拍手が沸き起こった。

 

 2つの檻をトラックの荷台に載せて冬期飼育プールまで運び、クレーンで釣り上げてプールに降ろし、檻の扉を開けると一目散にプールめがけて滑り込んでいった。

 

 次に大人プール19頭の引越しを行い、本日予定のアザラシの引越しは終了。3月上旬までこのプールで過ごし一般公開はしない。

 

 角川雅敏獣医師は、「おじいさんアザラシだけではなく、成長した若いアザラシも加わり、勝手の分からないアザラシは、初めてということもあり手こずらせた。部署移動で初めての職員もいて、今日をきっかけにコツをつかんでもらいたい」と話した。

 

 通常営業は11月23日(火・祝)までとなり、その後、海獣公園で過ごしている子どもとおばあちゃんアザラシも安全な場所へ移動する予定。

 

 ◎おたる水族館(外部)

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