「江戸糸あやつり人形 結城座」公演鑑賞 望洋台中学校

 小樽市立望洋台中学校(望洋台3・伊藤仁弥校長)では、10月19日(火)、体育館で文化庁が実施する文化芸術による子供育成総合事業(巡回公演授業)の一環として、380年以上の歴史をもつ人形浄瑠璃「江戸糸あやつり人形 結城座」の公演会を行った。(写真提供:望洋台中学校)

 

 感染症対策として、観客同士の距離を保つため、1回の公演観客人数を少なくし、午前中に1・2年生、午後には3年生と保護者に分けた。

 

 演目は、獅子舞を表現した「寿獅子」、八百屋の娘お七の悲哀を描いた「伊達娘恋緋鹿子 火の見櫓の場」などで、10数本の糸であやつられた人形の顔の左右への微妙な動きや、あごを引いたり突き出したりする細かい動作によって、登場人物の感情が見事に表現されていた。

 

 また、人形による三味線の演奏シーンと音楽がシンクロする様など、伝統芸能のプロの技を生徒の目に焼き付けていた。

 

 教科書の知識としても知られている「東海道中膝栗毛」では、前日のリハーサルに参加した生徒が舞台上に登場し、旅人や村人の人形をあやつりながら演じるシーンもあり、大いに盛り上がった。

 

 旅人を演じた3年生の吉田圭吾さんは、「人形を動かしながら台詞を言うのは、自分でやってみたらすごく難しくて、劇団の方は本当にすごいと思った。手板を支える指もすごく疲れた」と感想を述べた。

 

 鑑賞した保護者からは、「このような機会を与えてもらい感謝し、感動した」と話した。

 

 芸術鑑賞を担当した山田暁広教諭は、「感染症の影響で、生で芸術を観せることが難しいこともあり、今回、生徒たちに本物を観せたり実際に体験させたりできたことは良かったと思う。映像のみの手軽さや便利さはあるが、本物に触れる経験は生徒の成長にとって大事だと思う」と話した。