北海製罐小樽工場第3倉庫 無償譲渡へ

 小樽市(迫俊哉市長)は、北海製罐株式会社所有の小樽工場第3倉庫(色内3)が解体を免れ、希望通り建物土地を無償譲渡されることになったと、10月28日(木)16:00から臨時記者会見を開き公表した。

 

 同倉庫の老朽化が進み解体を考えていると聞き、保全活用するための民間団体「小樽第3倉庫活用ミーティング」を立ち上げ、保存活用方法を検討するため、今月末まで解体の1年間の猶予をもらっていた。

 

 同ミーティングからの最終報告書でも、当面の間小樽市が所有すべきと提案されたことを受け、18日(月)に無償譲渡と保全に向けた資金について文書で申し入れを行っていた。

 

 本日、同社取締役会において話し合いが行われ、同倉庫建物(1814.87㎡)および土地(2745.27㎡)の無償譲渡と、当面の保全支援のため1千万円の寄付を決定したとの連絡を受け、市の要求を叶えてもらう結果となり、譲渡の手続きは年内に行う予定だとした。

 

 無償譲渡を受けて、今後の課題について、迫市長は「滞在時間の延長のための観光戦略や、活用に向けての開発者のリサ―チは民間の協力を得ながら、北運河の周遊性の具体化、古く大きな建物の維持管理・修繕費の捻出など、ガバメントクラウドファンディングの残金600万円と1,000万円を充て、補助金の検討も進めていく」と述べ、「歴史性と景観を守ることは、個性あるまちづくりを進める上で不可欠。全力を挙げて取り組みたい」と意欲を示した。

 

 記者からの質問でも、「一市民として解体を回避されたことについては、小樽の観光名所で小樽運河と一体となった建築物が解体されずに残されたことは嬉しく思う。観光資源として市民と一緒に考えていきたい」と話した。

 

 同ミーティングは一旦解散となったが、メンバーや事務局の商工会議所、観光協会などからも意見を聞きながら進めるとした。

 

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