着々と進む 小樽港第3号ふ頭岸壁改良工事

 小樽開発建設部小樽港湾事務所(築港2)では、小樽市が進める小樽港周辺の再開発と連携し、小樽港第3号ふ頭において国際クルーズ船(13万トンクラス)の受入環境を改善するため、岸壁の改良工事を実施している。

 

 11月10日(水)13:30からは、現場説明会と合わせて、港湾業務艇「ひまわり」に乗船し、海からも工事の新着状況を確認した。

 

 第3号ふ頭は小樽駅前通りに位置し、小樽運河や歴史的建造物、小樽観光船発着場所に隣接。小樽潮まつり会場として利用されている場所。岸壁は、主に旅客船ロシア向けの中古車等の輸送のほか、待機・休憩船に利用されていた。

 

 この岸壁は、1940(昭和15)年に着工し、1943(昭和18)年に戦争のため中断。1953(昭和28)年に再開され、1954(昭和29)年に基部側B部167mが完成。1959(昭和34)年から先端に向けて岸壁延長の整備が行われ、1967(昭和42)年に延長部193.6mが完成した。

 

 60年以上が経過し、施設の老朽化による機能低下、及び安全性が損なわれていることから、早急の対応が必要と判断。

 

 同岸壁整備は、2015(平成26)年度から調査を開始。岸壁-10m改良工事(面積約3万㎡)に取り掛かった。2016(平成27)年度からB部173mが着工され、A部188mは2020(令和2)年から開始。全長361m・総工事費59億円。令和一桁前半の完成を目標に整備を進めている。 

 

 箱型のケーソンで構成され、その上に鉄筋コンクリートが載っている構造で、健全度を調査したところ、A部(先端部)では、充分なコンクリートの強度がありまだ使える状態だが、一部腐食やサビが発見され、全面に発生する恐れがあることから他を壊して本体を生かし、B部については、ひび割れが発見され再利用は断念し撤去した。

 

 2020(令和2)年12月に市が策定した小樽港長期構想では、「ひと・ものが世界と行き交う北海道日本海側の物流・交流拠点」と将来像を掲げ、にぎわいの拠点に位置づけられていて、貨物船や近年増加する大型クルーズ客船の利用が期待される岸壁として整備を進めている。

 

 同建設部担当者は、「第3号ふ頭は観光の要となる場所で、小樽市も力を入れているところ。出来栄えも含めて完成させなければならない。市民の期待も高く、憩いの場所になれば」と話している。

 

 ◎国土交通省北海道開発局小樽開発建設部(外部)