中村善策の系譜②「遥かな時空を超えて 画家堀忠夫展」開催

 市立小樽美術館(色内1)1階中村善策記念ホールで、善策の一水会道作家に属する後輩画家・堀忠夫の作品を紹介する、中村善策の系譜②「遥かな時空を超えて 堀忠夫展」が1月4日(火)から始まった。

 

 堀忠夫は1936(昭和11)年小樽市に生まれ、北海道学芸大学卒業後、教員の傍ら制作活動に励み、1970年代に入ると海外取材に目を向け、歴史的建造物に魅せられ、ギリシャをはじめヨーロッパ・南北アメリカ・中国・イタリアなどを訪問。一水会会員に推挙され、小樽美術界の重要な役割を担う。1992(平成4)年から1998(平成10)年まで小樽市展運営委員長を務めた。

 

 地元小樽に戻ってからは、塩谷海岸側にアトリエを構えて制作活動を続け、2010(平成22)年に同館で特別展を開催。2021(令和3)年11月に亡くなった。

 

 会場には、44回道展で協会賞を受賞した「標本棚」の目玉作品をはじめ、旅で見た風景を中心に油彩画14点を紹介。

 

 小樽運河など風景に集中するよりも、廃屋の一部や倉庫の扉や窓を切り取って描き、第3倉庫においても倉庫をバックに2隻の船を描いた作品や、店先のショーウインドーなど、モチーフの捉え方が丁寧で克明に描いている。

 

 異国の世界では、同氏ならではの描写で現代に息づく歴史的な遺産をテーマにした、旅で見た風景を作品にしている。

 

 星田七重学芸員は、「堀先生は、貴重面で温厚で人望も厚く、独特の描き方で、持ち味は海外のスケールが大きい風景画。海外には行っていなかった先輩の善策先生と後輩の堀氏との違いを感じてもらいたい」と、来場を呼び掛けている。

 

 遥かな時空を超えて 堀忠夫展
 1月4日(火)〜7月18日(月・祝)9:30〜17:00(最終入館16:30)
 市立小樽美術館(色内1)1階中村善策記念ホール
 月曜日、月曜日祝日の場合は翌日休館 要観覧料

 チャリティ企画「堀忠夫遺作展」 6月1日(水)〜12日(日)10:00〜18:00
 サロン・ド・宮井(花園1宮井額縁店内)

 

 ◎中村善策の系譜②「遥かな時空を超えて 堀 忠夫」(外部)